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2014年11月4日火曜日

ヘルシンキ・グッゲンハイム美術館コンペ Guggenheim Helsinki Shortlist

2014年、世界中の建築関係者が最も注目するコンペと言えば、北欧のヘルシンキに計画されるグッゲンハイム美術館の設計コンペ。

ビルバオを始めとし、世界中で美術館のフランチャイズ化を進め、都市の在り方に大きなインパクトを与えようとするグッゲンハイムのグローバル戦略。かつて在籍したザハ・ハディド事務所でも、台湾の台中市にて同じくグッゲンハイム美術館の計画が進んでいてそのチームとして設計を担当していたのを思いだすが、今回はグッゲンハイムとして初めての試みで、世界中からオープンに案を募集するという。

そのコンペ発表のイベントが今年のベニス・ビエンナーレ期間中に、ベニスにあるグッゲンハイム美術館で行われ、世界中からビエンナーレに来ていた多くの建築家で盛り上がりを見せていたが、コンペ開始の号令から早5ヶ月。ついに一時審査を通過し、二次審査へと進むショートリストとされる6案が発表された。


そして何より衝撃的なのは、77カ国から計1715案という応募案が全て公表されたこと。


我々も参加しようかと検討したが、どうしても進行しているプロジェクトが忙しく残念ながら応募することは出来なかったが、ショートリストに選ばれた作品を見てみると、やはり北欧らしさを感じさせるプロジェクトが選ばれているようである。

プロモーションとしては十分な成果をあげたと思われるこの一次審査。ここからは様々な駆け引きが行われることだろうが、ぜひともヘルシンキの新しい目的地となる建築の可能性を感じられる美術館が選ばれるのを期待したい。

2014年6月4日水曜日

ファイドン(Phaidon) Party


オシャレなモデル・ルームやカフェなどに行くと、大体ソファー・テーブルの上に置いてあるのが分厚いインテリアか建築の洋書。恐らくそのほとんどを出版しているのがイギリスの出版会社であるファイドン(Phaidon) 。

これだけ多くの建築家が一堂に集うベニス・ビエンナーレに合わせて様々なイベントが開催されるが、このファイドン(Phaidon)もまたイギリス館にてトーク・イベントを開催するのと同時に、様々なゲストを招待しオープニングの一日前にベニスの海に浮かんだ船の上でパーティーをするという。

我々MAD Architectsも招待されたので各国パヴィリオンを見て回った後に会場近くの船を目指してとぼとぼ歩いていると、横にあるいているのは藤本壮介さん。同じくファイドンのパーティーに行くというので話しながら船にむかうことにする。

ポツポツ振り出した雨を避けるかのように、徐々にゲストも集まりだしてきているようで、担当者と挨拶をして如何にも上質と思われるシャンパンをいただきながら周囲を見てみると、ローマに現代美術館を設計したフランスのオディル・デック(Odile Decq)の姿を見つける。パートナーのマーとも既に既知の仲のようで、彼女の知り合いの建築家がマーがアメリカでアイゼンマンの事務所でインターンをしていた時の直属の上司だったらしく、話が盛り上がっている様子。

前回ビエンナーレに参加したときのメイン・キュレーターであったアーロン・ベッキー(Aaron Betsky)の姿も見つけ、久しぶりに挨拶をしているところ、藤元さんと一緒にファイドン(Phaidon)のカメラに納まることに。


藤本さんから貴重な話を聞くことができたのも楽しかったが、周囲から話しかけられる度に温和に耳を傾けながら、広がる話をしっかり受け止めている姿を見ると、こうして一人で色々なイベントに足を運び、様々な人に会い、チャンスを広げていきながら、しっかりと設計も進めていくのは相当に大変なことに違いないのに、それを一切見せずに飄々としている姿が何よりも印象的に感じながら、次の場所へ向かう為にパーティーを後にすることにする。










ジャルディーニ(Giardini)


やはりビエンナーレといえば、こちらのジャルディーニ(Giardini)という感じが強い。会場も広く、多くの人で賑わっているので全体的な雰囲気も華やかである。

こちらジャルディーニ(Giardini)に展開する各国パヴィリオンの統一テーマは「近代化の吸収:1914-2014(Absorbing Modernity)」。世界を覆ったグローバリゼーション時代において、それでも地域的な「ナショナル」なものをどう捕らえるのかを各国に投げかける趣旨となっている。

各国がキュレーターを中心となり二年もの長い年月をかけて頭を悩まし、それでもって様々な関係者を動員して手がける展示なだけに、展示趣旨を少し読んだだけではとてもじゃないがその内容の本当に意味するところは理解できない。なので、各パヴィリオンに足を運んでも、その展示関係者から説明を受けなければ、その展示が一体何を意味しているのかさっぱり分からないということになる。

そんな訳で、まずはメインエントランスをくぐって、殆どの人がこの動線を通るだろうと思われる右回りに添っていくと一番手前に見えてくるのがスイス館。建築に関わっている人間にとって夏の風物詩となっているロンドンのサーペンタイン・ギャラリー。そのダイレクターを勤めるハンス氏(Hans Ulrich Obrist, co-director of London’s Serpentine Gallery)がキュレーションに携わり、セドリック・プライス(Cedric Price)など建築の発展に大きく寄与した建築家達の残した図面などを展示し、同時に二日間に渡り様々な建築家が参加する「マラソン」という討論会を行うという。

お隣のベネズエラ館はひっそりとしており、今回は参加していないようである。ちなみにこの建物もカルロ・スカルパ設計によるもの。

その奥にはロシア館。先日足を運んだロシアのコンペでも関わっていたStrelka Institute for Mediaと、オフィスの最初の出版物となった「MAD Dinner」の編集を勤めてくれたブランドン(Brendan McGetrick)がキュレーションを勤めていることもあり、まだ準備中だというが中に入れてもらい、ブランドンから直々に説明をしてもらいながら中を見て回る。まさにエキスポのフェア会場に来ているように、説明をしているスタッフもあたかも各企業から派遣されたような熱の入りよう。「役者を雇っているのか?」と聞きたくなるくらいの熱演ぶりである。


次に足を運んだのは韓国館。こちらは二日後の発表により最優秀パヴィリオン賞であるゴールデン・ライオン賞を受賞したパヴィリオンである。

Golden Lion for Best National Participation to Korea
Crow’s Eye View: The Korean Peninsula

キュレーションはマス・スタディーズ(Mass Studies)のチョウ・ミンスク(Minsuk Cho)。1966年生まれなので、現在48歳で、元OMAのスタッフである。彼も様々な機会で一緒になることもあり、パートナーの二人もすっかり仲良しということで、挨拶をしにいくと、手短に展覧会のコンセプトを紹介してくれる。話を聞いていると後ろから覗いてくるのはアラップ(ARUP)のローリーさん(Rory McGowan)。いろんな建築家と組んでは世界中の様々なコンペを手がけているアラップの主要メンバーだけ会って、ミンスクとも仲が良さそうな様子である。

ミンスクによれば、今回のビエンナーレの為に、北朝鮮の建築関係者に正式に招待状を送り、一緒に参加しようと呼びかけたがなんの返事ももらえなかったという。パヴィリオンの中のある一角がどうもゆがんでいるんだと熱心に話してくれるその姿は、相変わらずエネルギーに溢れている。

そのお隣にあるのが日本館。今回の日本館はこちらも元AMOの太田佳代子氏がキュレーションを担当し、「日本建築の近代化100年の歴史」として日本館を「倉」に見立て、図面、模型、スケッチ、手紙、構造図面などを集め、日本の近代建築の経てきた100年をモノを通して展示するとの意図のようで、会場はとにかくモノで溢れている。

建築家だけでなく、建築史家、作家、写真家、映画監督も含め、日本で育ち日本で建築を学んだ人間にとっては通念的に身に着けている認識を、改めて総体として外国に向けて発信するという試みで、これを海外の人がどう受け止めるのかとやや疑問に思わずにいられない。

その後奥のドイツ、イギリス、北欧館と見て周り、中心に用意されたカフェエリアで休憩を挟んで、目の前に大きな「ドミノ・モデル」が展示されたメイン館へと足を運ぶ。ちょうど入り口でクールハースとすれ違う。床、天井、開口部など細分化され過ぎ建築家の手からコンサルタントの手へと移ったしまった数々の建築の要素。それらを再度見つめなおすことで、建築の本質をあぶりだそうとする展示。途中であったOMAのスタッフによると、この展覧会の為にOMAから50人のスタッフが借り出されたという。

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三日目の午後、前日見切れなかったパヴィリオンを訪れる。ここら辺になると、「どのパヴィリオンが面白い」という噂が耳に入ってくる。その内の一つであるアメリカ館は「オフィス」をテーマに抱え、これまた「面白い」と噂を聞いたイスラエル館はレーザーカッターが砂の上に都市計画のパターンを描いては消していく姿を展示する。

スペイン館を巡ってデンマーク館前にたどり着くと、現在のグローバル化した建築世界の申し子といってよい、BIGのビャルケ・インゲルス(Bjarke Ingels)達に出くわす。なんでも、アゼルバイジャンの大統領を待っているのだという。ちなみにこちらも元OMA。

そろそろアーセナーレに移動しようと、徒歩にて住宅地の中の公園を歩いていると、前方から建築写真家のイワン・バーン(Iwan Baan)がやってくる。足を止めて少しの挨拶。ビエンナーレに来るということは、元気にやっているということを知り合いと確認しあう場所でもあるのだと思わずにいられない。







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三日目
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HK