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2014年5月2日金曜日

「青の炎」蜷川幸雄 2003 ★★★

貴志祐介による原作の映画化。その監督は蜷川幸雄。そして主役を演じるのは、当時トップアイドルとして活躍していた松浦亜弥と演技と軸に売り出し始めていた嵐の二宮和也。興行的にも十分集客を期待できるキャストに、知名度のある監督。

17歳の主人公。大人に近づいてもそれでもまだ大人の保護を必要とする事実。その葛藤に苦しむ少年。それを見事に描く二宮和也。

アイドルを使った興行的な映画だとばっかり思っていたが、いやはやすっかり見入ってしまった。ネットでかなり評価が高いのも納得できる一作。人が思い悩むのはいつの時代もやはり人が原因ということで、若い頃にはその感情を抑えきれず、淡々と突っ走っていってしまう冷えた狂気を見事に映像化してくれる。
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スタッフ
監督 蜷川幸雄 
脚色 蜷川幸雄
原作 貴志祐介
製作総指揮 角川歴彦
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キャスト
二宮和也 櫛森秀一
松浦亜弥 福原紀子
鈴木杏 櫛森遥香
中村梅雀 山本英司
山本寛斎 曾根隆司
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作品データ
製作年 2003年
製作国 日本
配給 東宝
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2013年12月30日月曜日

「殺人鬼フジコの衝動」 真梨幸子 2008 ★

「貧困は連鎖する」

それを実感を持って理解させてくれる一冊。これを読めば、「なぜ貧困が連鎖してしまうのか?」を痛いほど理解でき、問題は「貧困そのものよりも、そのメンタリティーが連鎖する事」であると実感する。

貧乏はお金が無いから貧乏なのではなく、どんなにお金があろうとも、計画性も無く散在してしまえばいつまでも貧しい生活から抜け出せない。

と本書の中でも書かれるように、どんなに収入が少なくとも、しっかりと計画をして欲望を抑制し、分相応な生活を規律を持って続けられる人はいつかは豊かな生活にたどり着ける。

まさに真実。

その規律。計画性。メンタリティーを誰からも教わることなく、良い手本を一度も見ることなく大人になってしまう。刹那的な目の前の喜びだけを追う生活。

「将来、どんな大人になればいいか?」

の問いに対して、かつては「誰かの役にたつ人。社会に必要とされる人。人から尊敬される人」という答えが暗黙の了解として共有されていたが、いつの間にか「お金を稼ぎ、自分の欲望を満足できればそれでいい」になってしまった日本。

そのお手本の様に、小さな時からどう生きるべきかを教えられず、常に自分の視線から物を判断し、周囲に受け入れれらる為に小さな嘘を重ね、自分の心の中で大きくなる小さな欲望に振り回され、大人になっても欲望ばかりが大きくなる一方で何も大人になっていかない。

テレビをつければアイドル志望の数多の若い女の子が次から次へと出てきている。いくらネットの出現と共に、消費者にも多様化が進んだと言っても、これほどの多くの若い女の子が将来芸能界で生きていけるんだという思いだけで、大量に生産され消費されていくのは本当にいいのだろうかと思ってしまう。彼女達の中のほんの数人だけが、その後も光の当たる舞台にい続けることが出来るだろうが、それ以外の多くの子達は、それでも生きていかなければいけない。

虚構の世界で評価される自分を追い求めてきた光の当たる若かりし時代。恐らく世間よりも厳しい規律の中で日常を生きるということもあるだろうが、それでもやはり大人になるステップを何段か踏まずに時間を過ごしていることも事実であろう。

よほどしっかりした親や、周囲の大人がケアしない限り、用無しになって放り出されて、どうしていいか分からなくなってしまう子達も大勢いるのだろうと勝手に想像する。

同時に、現代日本ほど風俗産業やアダルト産業が肥大化し、様々なジャンルに枝分かれした社会も珍しいのだと思う。それだけ巨大化した産業で働く女性達。それを求める男性がいるから、という事ももちろんあるだろうが、それにしても、世間とはまったく違った労働と報酬がまかり通るその世界に、小さな自分の欲望を満足させる為に安易に足を踏み入れていく若い女性達。

そこから再生産されるように生み出される貧困が連鎖した子供達。そんな事をイメージさせる何とも嫌な気分になる一冊。「嫌われ松子の一生」を連鎖させるが、より一般性と現代性を持ちえているといえ、こういう世界は、実は自らの日常のすぐ隣に潜んでいるんだと少々ゾッとする一冊である。

2013年3月7日木曜日

「Perfect Blue」今敏 1998 ★★


今の日本ではどこにでもありそうな、アイドルから女優へと転進を遂げていく主人公とその周りに蠢く様々な人の想い。

ふわり、ふわりと浮遊していく姿や、夢がいつの間にか現実へと浸食していく感覚はまさに後の「パプリカ」への発展を暗示する。

ネットとバーチャルの世界で個人としてつながることが可能になったアイドルとオタク。目覚めたと思ったら、また夢の中。その入れ子構造の中で、どこからどこまでが現実で、どこからどこまでが自分なのか次第におぼろげになる境界線。

底の無い沼に引き込まれるような、「ネット」という匿名世界によって解放されら人々の「欲望」。曖昧になった境界線は、自分の好きなように解釈され、引き直される。どこまでも自分の意識の世界だと。

現実の世界ではそれこそ起こりそうなサイコ・スリラー物。それがアニメの世界になることでその異常性がより強調される一作。

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スタッフ
監督 今敏
原作 竹内義和

キャスト
岩男潤子 霧越未麻
松本梨香 ルミ
辻新八 田所
大倉正章 内田
秋元洋介 手嶋
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