2006年5月1日月曜日

マイナス・イオン


今年の51に訪れた雲南地方に熱帯植物園なるものがあった。紹介文のところに、「マイナス・イオン出してます」なんて書いてあるものだから、「これは頂かなきゃあかん」ということで、両手を広げて、一人タイタニック。

「水兵リーベー僕の船、名前があーる、シップスクラーク・・・」なんて元素記号表をぶつぶつ言っていたら、あることを思い出した。

高校時代に「イオン」という名の同級生がいた。科学の時間にイオンとはプラスとマイナスの電荷が等しくない原子または分子のことなんて習ったもんだから、バランス悪いのかなぁと一人思ったものだ。ちなみに彼のお兄さんは「アイン」。北斗の拳の賞金稼ぎでなく、お父さんが有名な科学者だということで、相対性理論を越えるようなととんでもない想いがあってのことだろう。

で、彼の家の犬の名前。「ウラン」

「どっちの?」と突っ込みたくなる名前だが、それ以前にできるだけ距離を置いたお付き合いをさせていただきたいお犬様である。当時東海村で事故なんてあったものだから、ご近所のお犬仲間にも避けて通られたであろう、かなりの悪者だ。

しかしこの「ウラン」君。原子番号92の元素なのだが、人類がお熱をあげるの放射性同位元素として知られるのは0.7%のウラン23599.3%はただの金属の238ウランだという。このウラン2350.7%から35%まで濃縮すると核分裂するウランの完成。戦時中の日本でも仁科研究室が必死に研究を重ねた結果、この濃縮工程に200年ほどかかると推測し、とっとと開発をあきらめたというほどその濃縮過程が大変らしい。

で、238の金属としてのウランの特性を利用したのが、劣化ウラン弾。高硬度、大質量の為弾頭として極めて望ましい効果を得られるらしいが、たった「3」の違いでその内実はとんでもなく違ったものになる。世間のとんでもない勘違いを指摘するべく名付けられたかは謎だが、ものすごい含蓄のあるお犬様だ。

そんな素敵な家庭に育ったイオン君ももう結婚したと聞いた。対になる素敵なプラス・イオンをみつけて、電離状態からみごと安定化したのだと思うと、なんだかこちらも嬉しくなる。

で、やはり次に気になるのは彼の子供の名前なのだが・・・