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2014年6月4日水曜日

サン・モーセ教会(Chiesa di San Moise) 1681 ★



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所在地  ヴェネツィア(Venezia)
竣工   1681
機能   教会
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もう少しでサン・マルコ広場というところで、入り組んだ迷路のようなこの町でびっくりするくらいの直線の道にたどり着く。なんだろうと思って進んでいくと、その視線を受ける先に凹凸の激しい教会のファサードが見えてくる。

こういうのを体験すると、建物一つだけを作っていてもこのような都市体験は作り出せず、都市計画とともに、重要な建築が都市の中でどのように配置されるかをしっかりと考えないと、豊かな都市空間は今後も日本に生まれてこないだろうと思いながら道を進む。

このサン・モーセ教会(Chiesa di San Moise)はそのファサードから見て取れるように、華麗なバロック様式を採用して1681年に建設された。ベニスでの指折りのブランドショップが立ち並ぶ目抜き通りに面して位置するだけに、この街に滞在していると何度もこの特徴的なファサードを見かけることになる。

その名の通り、モーセ(Moise)に捧げられた教会の様であるが、英語のサイトでも建築についてはなかなか詳しいことが見つからず、それほど有名な観光スポットではないことが伺える。








カ・レッツォーニコ(Ca' Rezzonico) バルダッサーレ・ロンゲーナ 1756 ★★


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所在地  ヴェネツィア(Venezia)
設計   バルダッサーレ・ロンゲーナ(Baldassarre Longhena)
竣工   1756
機能   住宅、美術館
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カナル・グランデに面して邸宅が建っている為に、それを正面から見る為にはどうしても向かい側からアクセスすることになる。と言うわけでアカデミア橋を渡り、少しカナル・グランデを戻り目指すはカ・レッツォーニコ(Ca' Rezzonico) 。

「カ(Ca')」のつく邸宅であるが、今は18世紀頃の作品をメインとした美術館として利用されているという。面白いのは1649年に当時の貴族が宮殿を建設しようと、当時活躍していたバロック建築の一人者バルダッサーレ・ロンゲーナ(Baldassarre Longhena)に設計を依頼にする。カ・ペーザロ(Ca' Pesaro)を設計した建築家である。

しかし、完成を待つ前に設計を頼んだほうも頼まれたほうも死去してしまい、宮殿はレッツォーニコ(Rezzonico)家が買い取ることになる。その家名が建物の名前にも残されている。そのレッツォーニコ(Rezzonico)家から設計を依頼されたのが、ジョルジオ・マッサーリ(Giorgio Massari)。

その彼がロンゲーナのバロック様式の設計を尊重しつつも、自ら独自の設計も付け加えた為に、完成した1756年にはバロックにルネサンス様式が加わったキメラの様な建物となったという。正面ファサードはゴシックの様な縦線を強調するようなものではなく、どっしりとした3層構成。下部の中心にはポーチが取り付けられ運河から直接アプローチできるようになっている。

2階と3階は7つのアーチを持ち、中心にアーチがくる構成になっている。バルコニー部はバロック様式がより明確な優雅なデザインとなっている。

一つの建物が使われながら、長い年月をかけて設計が様々な建築家の手に渡りながら完成するこの街の建築の在り方。その為に生まれるこの様なキメラ様式のファサード。壊しては立て直すことで、一から設計することがあくまでも主要な設計の仕事であると思いこんでいる日本の建築家。それとはまったく異なる建築家という職能に対する理解をもつこの国の奥深さを感じることができる建物である。

カ・ペーザロ(Ca' Pesaro) 国際現代美術館(チヴィチ博物館) バルダッサーレ・ロンゲーナ 1710 ★


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所在地  ヴェネツィア(Venezia)
設計   バルダッサーレ・ロンゲーナ(Baldassarre Longhena)
竣工   1710
機能   住宅、美術館宅
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カ・ドーロ(Ca' d'Oro)の向かいの少し駅側に進んだところにあるのが、このカ・ペーザロ(Ca' Pesaro)。同じく「カ」がついて、かつての貴族の邸宅であることが分かる。現在はチヴィチ博物館と呼ばれ、国際現代美術館として利用されているという。

ベニスの重要な教会であるサンタ・マリア・デッラ・サルーテ聖堂の設計者としても知られるバルダッサーレ・ロンゲーナ(Baldassarre Longhena)という17世紀にベニスで活躍したバロック建築の第一人者によって設計をされ、カナル・グランデに面する建物正面は後にアントニオ・ガスパーリ(Gian Antonio Gaspari)の手によって1710年に完成させられたという。

設計はバロック様式を採用され、特に特徴的なのは1階部分の外壁に、ゴツゴツした岩の素材を使用して壁面に明暗を表現をしている。ゴシック、ルネサンス、バロックと続くヨーロッパの建築様式の変遷は、どうしてもその前の時代の様式に対する反運動でもありながら、それでもどこかで流れは受けているということで、バロック様式もその前のルネサンス様式との明確な違いが現れるまでにはどうしても微妙な違いでしかなく、建築を業としていても、この様式がどちらに属するのかをはっきりと示すのはやはり難しくなってしまう。

アジアから来るとどうしても美しい中世の都市としての風景を残すベニスとして括ってしまいがちになるが、もちろんその中には何百年という隔たりを持って設計された建物たちが渾然一体となって存在していることを改めて感じながら、その背景まで視線を届けながら観察していかないと、大きな間違いを犯すことになりそうだと次の目的地へと向かうことにする。