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有福温泉(ありふくおんせん)は、江津市の山間部にある温泉街。島根県にある百名湯は昨日から立ち寄ってきた玉造温泉、温泉津温泉と、残すはこの有福温泉だけである。もちろん百名湯以外にも良質な温泉は沢山あるのだろうが、まず優先順位を付けるとしたらこちらからとなるのだろう。
そんな訳で、朝から駆け足で何箇所か廻ってきたのでその汗を流すためにも立ち寄る温泉。昨日宿泊した温泉津温泉同様、こちらもかなりの規模の温泉街があるらしいので、期待をして随分と山深くなる道を進む。
随分開けた集落に差し掛かったときに左手に見えてきた小学校と思しきものの体育館がなんともレトロな雰囲気を漂わせる西洋建築であり、あまりにかっこよいので停車して写真に収めようかと逡巡するが、まずは温泉だと先を進む。
ナビで到着だと示されたところはどこかの高齢者センターであるが、道路脇の看板を頼りに細い道を進むことにすると、暫く進んだ先に有福温泉入口が見えてくる。駐車場が何処にあるのか分からないまま細い道を先に進むと、左手に公共駐車場が開け、その裏手には山の斜面にへばりつくように温泉街が広がっている。
この光景はかなり壮観であり、温泉街らしくところどころから湯気が出ているのもまた雰囲気を出してくれる。やはり山の斜面に旅館や民家が立ち並ぶ姿から、「山陰の伊香保」と呼ばれているという。
駐車場に車を停めて、案内図を見ると、事前に調べていたように共同浴場は御前湯、やよい湯、さつき湯の3軒。タオルを手にし坂道を上がって物色していると、駐車場に車を停めて、プラスチックの風呂桶にタオルを入れた地元の人と見られるおじいさんやおばさんが多く共同浴場に吸い込まれていく。
少しコーヒーでも飲んでからお風呂でもと、カフェに足を運ぶがまだ開いてないようである。しょうがないので、人の流れに誘われるように木造で雰囲気の良さそうな「さつき湯」に入ると、中にはやはり地元民と思われるおじいさんが二人。
開湯は1300年前とされる湯治場として栄えた有福温泉。入り方を見てみても、やはり2-3週間集中して入るのが治療によいとされるらしい。鄙びた雰囲気を十分に感じ、身体も温まって次へと向かうが、辺鄙なロケーションを物語るように、先程通った道を戻り浜田市中心へと向かう。
ということはと先程見逃した小学校前で車を停めて、のどかな田園の中にスクッと建つ浜田市立有福小学校の体育館をカメラに収める。
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