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所在地 島根県鹿足郡津和野町大字後田
主祭神 宇迦之御魂命、伊弉冉尊
社格 郷社・別表神社
創建 1773
機能 寺社
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日本五大稲荷
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ある場所に戻って来なければいけない行程の時に、どこで引き返すのかを決めるのは一番難しい。もう少し遠くまで行けば、あれも見ることが出来る。そんな誘惑に引きずられ続けると、引き戻す時間が足りなくなってしまう。
そんな訳で当初考えていた米子から福岡までの一直線の行程を予算の関係から諦めて、米子へレンタカーを返してそのから電車で戻ることに決めた為に、西の果てを何処に設定するかを決断しないといけない。
益田まで行くことは決まっていたので、そこから先、何処まで行くかの目処となったのが、「山陰の小京都」と呼ばれる津和野の街。高校時代の修学旅行で萩・津和野というなんとも渋いチョイスで足を運び、吉田松陰などの松下村塾などを見た以来となるが、今回津和野に向かわせた一番の理由は、「日本100名城」にも、Discover Japanの「いま、見ておくべき城 100」にも選ばれている津和野城跡(三本松城跡)の存在。
今では石垣や石畳が残るのみと言うが、事前の調査ではリフトで登れるとのことなので、長い一日の最後の目的地として城から「山陰の小京都」を見下ろしながら、高校生の時には知りえなかった「城」の良さを改めて感じるかと益田から1時間ほどかけ、山深い道を通り抜けて到着する津和野の街。
しかし、迷いながら辿りつく津和野城跡へのリフト乗り場は閉鎖されており、しょうがないので、その上に鎮座するいかにもこの街で一番の権威を持つと思われる神社に向かい、そこで案内のおじさんに聞いてみると、「今は週末しかリフトを運行していなく、がけ崩れの為で徒歩では登れなくなっている」とのこと。この規模の街の観光の在り方と情報の出し方から考えればしょうがないのかもしれないが、せめて正しい情報を出していて欲しいとがっくりと肩を落とし、代わりにといってはあれだが、事前に訪問地リストに入ってなかったこの神社を参拝することにする。
通称「津和野おいなりさん」と呼ばれというこの太鼓谷稲成神社(たいこだにいなりじんじゃ)。全国で唯一「いなり」を「稲成」と表記する稲荷神社だという。言われないとなかなか気づかない点である。
その規模からかなりのものだと想像していたが、日本五大稲荷に数えられるといい、稲荷神社は伏見稲荷(神道系)と豊川稲荷(仏教系)の系統に別れるという。学生の頃なんども初詣に訪れた豊川稲荷も改めて足を運ばないとと思う。ちなみに日本五大稲荷は下記の通り。
伏見稲荷大社 近畿の京都市伏見区
笠間稲荷神社 関東の茨城県笠間市
竹駒神社 東北の宮城県岩沼市
祐徳稲荷神社 九州の佐賀県鹿島市
太皷谷稲成神社 中国の島根県津和野町
なぜこれに豊川稲荷が入ってないのかと思いたくなるが、恐らく伏見稲荷(神道系)のものから選んだということなのだろう。
冷たい雪雨になり始めた空模様の下、暗い背景に朱色の社殿が良く映える。しかし如何にも商業主義的な空気が支配しており、好みのしっとりとした神域性はまったく感じられないカラッとした空間。上を見上げこの山の頂には石垣に囲まれた津和野城跡があるのかと、なんとも後ろ髪をひかれる思いで足元の小京都の街並みへと下りていくことにする。
津和野城跡へのリフト
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