2014年2月5日水曜日

メテオプラザ 高松伸 1995 ★



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所在地  島根県松江市美保関町七類
設計   高松伸
竣工   1994
機能   フェリーターミナル、文化施設
構造   RC造、S造、SRC造
規模   地上4階
敷地面積 16,302㎡
建築面積 3,948㎡
延床面積 5,588㎡
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美保神社から岬の付け根まで戻って来て、先ほど渡った鉄橋を超えて日本海側に抜けて暫く走ると見えてくるのがこの「メテオプラザ」。

機能的には沖の先に浮かぶ隠岐の島へ運行するフェリーのターミナルと、こんなところにそんなものが必要かと思うほどの付属施設。それを一つずつ見ていくと、かつてこの田舎の港町に小さな隕石が落ちたことから、その隕石を展示する隕石博物館。言わずもがな、その隕石からメテオと名づけたと言う・・・

そして町民ホールに海水療法健康施設までつけられて何とも複雑な機能がごっちゃになった建物という訳である。1994年に竣工なので、まだバブルの空気が残る90年代初頭に、フェリーターミナルを新設するのにかこつけて、珍しい隕石をつかって町おこしと言わんばかりに、関係各社が好き勝手に欲しいものを付け足した結果の建物と言った感じ。

これがコンペによって選ばれたというが、やはり選ばれたのは地元島根出身のスター建築家・高松伸。今回の旅でも一体どれだけ彼の作品を見て回ったことか・・・

先ほどまでやんでいた雪も再度降り出し、日本海側の激しい風に煽られ、車のフロントガラスもあっという間に白く曇り、一度外にでると横から吹き付ける雪に晒される天候に戻ってしまった。

高松から直島程度の距離感でいたが、隠岐の島まではとんでもなく遠いらしく、「あわよくば渡ってみよう・・」と思っていた企てが簡単に打ち砕かれる。駅舎空港に匹敵する現代社会の海への玄関口となるフェリーターミナル。かつて香港でのコンペに参加下ことがあるが、その動線やセキュリティなどは相当複雑なものとなる。

それだけに建築的にも通常街中で見られるような建築とはまったく違った外形を必然的に持つことができ、それだけに人々が行きかい、集う場所として様々な可能性を持ったタイポロジーであるに違いないが、内部を見ても、長い海の旅に出かける高揚感を与えてくれたり、海の揺れから開放され、がっちりとした大地に足を下ろす安心感を感じさせてくれるような、そんな都市の玄関口としての空間は皆無の様である。フェリーターミナルという特殊な機能が生み出す建築の強い表現というのもなく、徹底的に異質なものが並置されているという建築家のボキャブラリーに終始している様である。

思った以上に隠岐の島へのフェリー料金が高いのに驚き、それと同時に、雪国の冬の海の便のそこはかとなく悲しげで冷たい待合室の空間に、まるで鎌倉時代に隠岐の島に流された後醍醐天皇の姿を重ねてしまうような気持ちになりながら建物を後にする。











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