ラベル アンドロイド の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル アンドロイド の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2013年5月12日日曜日

「イノセンス 」押井守 2004 ★★★★★


前作よりも圧倒的に洗練された様子の映像。そして恐らく同時期に制作されていたと思われる、「東京スキャナー」との類似点。恐らく作者の中には、「機械を通してみたこの世界」という、今まで誰も作りえなかった映像の姿が、明確に頭の中に描けているのだろうと想像する。

開くまでも世界観は香港をベースとしたミックスされたアジア。辛うじて物語から彼らが属するのは日本という国だと分かる程度で、映像からいわゆる「日本らしさ」という風景は一つも見えてこない。

アンドロイドによって引き起こされる持ち主の殺人事件。少佐が消えてから、喪失感を抱えるバトーを主人公にして物語りは進み、しっかりと前作で敷かれた伏線がここでも意味を持って登場する。

一体何処まで構想して作品を作り始め、どこまでも一作目で切り取るかと決断したのだろうと、その勇気に想いを馳せながら、再度、ここまでの世界観を成立させる細部とプロットへの作りこみに、作者の非常なる想像力に圧倒される一作。


--------------------------------------------------------
スタッフ
監督 押井守
原作 士郎正宗
脚本 押井守

キャスト
大塚明夫
山寺宏一
田中敦子
大木民夫
仲野裕
--------------------------------------------------------
作品データ
製作年 2004年
製作国 日本
配給 東宝
上映時間 99分
--------------------------------------------------------

2013年4月30日火曜日

「イヴの時間 劇場版」吉浦康裕 2010 ★★★



ここ10年近くで話題に上がったアニメ作品にざっと目を通そうと調べていると、なかなか評価が高そうなこの作品。

近未来の日本が舞台で、各過程に人間型ロボットであるアンドロイドが様々な生活の手助けをするのが当たり前になっている社会。

見た目もほぼ人間と変わらず、唯一頭の上に浮かぶホログラムのような円環のみがロボットだということを示す唯一の印。

社会もその状況に対応すべく、ロボット法なるものが存在し、「人間を傷つけない」などの条項が設けられるようになる。

そうなると必然的にもちあがる、「ロボットは感情を持ちえるか?」という問題。

それは同時に「人間はロボットを人間同様な感情をぶつける相手としてみることが出来るか?」という葛藤にもつながる。

そこで選ばれるのは、感情の揺れ動きやすい高校生の二人の男子。

一人は家のアンドロイドが可愛らしい女性で、そのアンドロイドが最近命令に無い場所に入り浸っていると疑問に思いだす。もう一人は小さなころから自分の世話をしてくれていたロボットがある日を境に自分に対してなんら言葉を発さなくなり、友達だと思っていたのに裏切られた、もうロボットなんか信用しないと心を閉ざしている高校生。

そんな二人がアンドロイドが立ち寄っている場所に足を向けて見つけるのは「イヴの時間」という喫茶店。その喫茶店のルールは「人間とロボットを区別しない」という一項だけ。ここではアンドロイドもその頭の上の円環を消して、人間と同じように振舞い、他の人と交流をする。その場にいる誰が人間で、誰がロボットかすら分からない状況。

そんな表のストーリーがありつつも、裏のストーリーとしては人間とロボットが感情的な交流を持つことに対しての危機感を持つある組織が操作を開始し、その組織の動きをまた別の組織が見張っているらしい様子も描かれ、その設定や技術的背景、登場人物のつくり込みなど、なかなかの緻密さを感じさせる内容になっている。

テクノロジーが発達すれば、必然の用に日常生活の中で機械が果たす役割は増えていく。その「技術的事実」だけを描く近未来映画は多々あるけれど、それによって人の感情がどのような影響を受けるか?機械の側がどのような問題を持ちえるか?社会として何が危険視されるのか?というところに目を向けるのは、更に総合的な視点が必要で、そういう意味では未来を描く作品の中で、一歩も二歩も抜け出ている、そんな印象を受けずにいられない。

ジブリ作品など過去の作品へのオマージュかと思うくらいの既視感を感じさせる作品とは大きく違い、絵の描き方も、各キャラの設定も独特で、ズームとかカメラワークが如何にもロボットっぽく実写でもアニメでもない3DCGならではの描き方も心得ていて、非常に好感の持てる内容であり、ぜひとも次の作品も見てみたいと思わされる良作。
--------------------------------------------------------
スタッフ
監督・原作・脚本 吉浦康裕

キャスト
福山潤
野島健児
田中理恵
佐藤利奈
ゆかな
--------------------------------------------------------