2011年8月15日月曜日

ヘルシンキ ①



フェリーに揺られすっかり熟睡をしてしまい、バルト海の旅を楽しむよりも、ここまでに溜まった身体の疲れを癒すことに成功し、すっかり元気になった頃に到着した早朝のヘルシンキ。港から見える薄暗いグレーの空に、アアルトの国に来たんだと実感する。

ゴロゴロと重い荷物を引きずりながら市内のホテルにチェックインし、さっそくイッタラなどアアルトゆかりのプロダクツを冷やかしにいき、その足でアカデミア書店を見学する。特徴的なドアノブのデザインが、今でも続く良き腕の職人が行き続ける国に入ったんだと思わずにいられない。

ヘルシンキ大聖堂を覗いて、サーリネンのヘルシンキ中央駅を通り抜け、キアズマことスティーブン・ホール設計のヘルシンキ現代美術館へ。「何故閉まってる・・・」と嘆くに嘆けない、こちらの国の適当なオープン時間。明日はユヴェスキュラにと決めていただけに、どうすればあの緩やかに交差するスロープ空間を実際に体験できるか・・・と頭を悩ませながら、となりの国会議事堂を過ぎてフィンランディア・ホールに向かうがこちらも改修中・・・悔しいからとまたドアノブと撮影し、これなら間違いないだろうというテンペリアウキオ教会へ。石の量塊の中から抉り出されたその強い形態に圧倒されて、これが信仰の力のなせるものだと実感。

バスに飛び乗り、アアルト自邸へ。ちょうど午後のツアーが始まる直前で、「アアルト」の発音が非常に特徴的なガイドさんの説明に耳を傾け、心地よさを突き詰めた、おおらかで優しい空間を堪能する。ちょうど日本で竣工した住宅とまったく同じ床面積を持つことで、どれだけ場の変化に差があるか?などと自分の中で歴史上の巨匠との力量比べに励んでみる。

中には入れないが、近くのスタジオ・アアルトもこっそり見てきて、すっかり満足で帰りのバスに。暮れかけた日の下で、中心通りを再度散策し、ウキウキと入った郷土料理のお店で出された伝統料理が余りに舌に合わないために、二人揃ってげんなりとホテルへと帰るアアルトの国初日。























2011年8月14日日曜日

ストックホルム ③



昨日のパーティーですっかり寝坊して遅めの朝食を取っていると、同じように眠そうな眼を擦りながらも朝食を逃すまいとやってくるパーティーの出席者に手を振る。別れを惜しみながらも、次の再会を約束してヴァドステナを離れまたストックホルムへと車を飛ばす。

すっかり慣れてきた平坦な道を快調に飛ばして向かう先はシーグルド・レヴェレンツの「聖マルコ教会 St. Mark's Church Markuskyrkan」。日曜ということもあり、ちょうど終わったミサのタイミングで、優しそうな司祭さんが快く内部を見せてくくれる。ミサでともしていたローソクの火を消す作業を一旦止めてくれて、巣晴らしい内部空間の写真を撮ることができた。

車を返しにイケメン・パラダイスのレンタカー屋へと市内中心部に戻り、中央駅を通り抜けて予約してあったアイスバーで強めのウォッカを胃に流しこみ、次の目的にへと向かうために港へと向かいチケットを片手にフェリーに乗り込む。

穏やかなバルト海に沈み行く夕日を見ながら、ここから出向していったバルティック海海軍はまさか極東の国で惨敗を記すとは夢にも思わなかっただろうと坂の上の雲に想像を膨らませながら、ムーミンの国に到着するまでの一夜を穏やかな船の中で過ごす。