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所在地 岐阜県中津川市加子母
設計 安藤忠雄
竣工 2004
機能 コミュニティセンター
構造 木造
規模 平屋建(一部2階)
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中津川から下呂に向かう山間の道。今は中津川に合併されたが、町の人口は3400人足らずという小さなこの町にあの安藤忠雄設計の建物があるというので、休憩がてらに立ち寄っていく事にする。
細い道を曲がり到着すると、木造で作られた平屋の建物が広がっている。安藤忠雄と木造というのは余り印象に無いので、どのような建物かと期待していたが、どうやら機能的には過疎化が進むこの町のコミュニティセンターと呼ばれているがその実はケアセンターとしてリハビリなどに使用されていたりする様子である。
この加子母村(かしもむら)は東濃檜で有名な土地であり、林業が盛んな地域として知られ、その森林の一部は伊勢神宮の遷宮時に木材を納める「神宮備林」として江戸時代から管理されているという。
スギ集成材を用いたV字の柱が木造の建物としては開放的な長いスパンを作り出しているのがこの建物の大きな特徴のようである。全体をトラスとして捉えて壁からフリーにしているようである。全部が全部V字になっているわけでもなく、構造的に重要な場所に集中的にV字を配している様子。
機能的にケアセンターと管理棟、そして子供のための施設と分かれているのを、大屋根で一気に覆うという形をとっており、屋根にも三角形のスカイライトが設けられている。
どうも町の規模に対しては相当大きいと思われる施設規模と、今後は子供部分よりも高齢者部分の施設の需要が増してくるのではと思われる中での機能分割が適切なのかと思わずにいられない。
もう一つはどうしてもこの土地柄、「木造で」というのが設計条件になっていたのは想像に難くないが、代名詞でもあるコンクリートを使用せず、開放性を求めるのにスパンを飛ばせる鉄骨を使うことなく、あくまでも集成材での設計にこだわったようであるこの建物。
豊かな自然の残る地域での、平屋の木造の公共施設だと考えると、周囲の環境に対応した豊かな空間が作れるアプローチがもっとあったのではないかと思いながら次の目的地に向かう事にする。
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