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2026年10月23日金曜日

霜降 (二十四節気の18番目)

 

二つ前の秋分の頃から移動を繰り返し、
寒露へと移ろう季節をさまざまな場所で感じながら、
ようやく日常を取り戻しつつあると思ったら、季節はもう霜降に。

やらなければと思いながら、まだ済ませられていない衣替え。
日に日に冷え込む朝晩の気温の変化に対応しきれないまま、
慌ただしく日々を過ごしている。

昨年は、心が震えるような大谷の活躍とドジャースの快進撃に、
毎日、MLBのポストシーズンから目が離せなかった。
今年はミルウォーキーとタンパベイがどんな街なのかを調べながら、
新たなチャンピオンの誕生を楽しみに見届けたい。

長い年月をかけて取り組んできたプロジェクトも、オープニングを迎えてひと段落。
慌ただしい日々を駆け抜け、少しずつ日常へと戻りながら、
次なる挑戦へと気持ちを向かわせる、そんな晩秋にしていこう。 




2026年9月9日水曜日

重陽(ちょうよう) 五節句 9月9日

 

奇数の数字が並ぶ五節句も、最後の重陽を迎えた。

昨日の夕方には、空いっぱいに広がる鰯雲を眺めながら、
低気圧の接近とともに、確かな季節の移ろいを感じる。

次に見上げる満月は、中秋の名月。

今年はどこで見ることができるのだろうと想像しながら、
いつもとは少し違う秋の景色に出会えることを楽しみにする。 




2026年9月7日月曜日

白露 (はくろ 二十四節気の15番目)

 

二十四節気も15番目を迎える、白露の季節。

二年計画で進めていた木彫りも、ついに追いつかなくなってしまった。
掘りかけの残りの木片を手に取りながら、
この木の中から生まれてくる季節の形を想像し、
アメリカで過ごす今年の秋へと思いを巡らす。

12年の年月を経て、ついにオープンを迎えるルーカス・ナラティブ・アート美術館。
これまでに費やしてきた時間と、ともに過ごしてきたチームのことを思い返しながら、
この先、この美術館を訪れる多くの人々の姿を想像する。

その長い時間の先に迎える、記念すべきオープニングの日を、
静かに、そして心から祝いたい。 

2026年8月23日日曜日

処暑 (二十四節気の14番目)

 

甲子園が終わるとともに始まる、処暑の季節。

開会式での「いい顔をして野球をしよう」という選手宣誓の言葉の通り、
今年も胸が熱くなる数々の瞬間を楽しませてくれた15日間が、智辯和歌山の4度目の優勝で幕を閉じた。

直前に地震に見舞われた熊本代表・有明高校の機動力野球や、
白樺学園の二年生二遊間による見事なダブルプレーなど、
今年もいくつもの素晴らしい瞬間を記憶に刻んでくれた大会だった。

3年生の多くが野球を離れるこの大会を終えたその瞬間から、
チームは秋の大会へ、そしてその先にある春の選抜を目指して、すでに動き始める。

一年の巡りの中に確実に訪れる一つのピークを越え、
次の巡りへと時計の針を進めていく処暑の季節。

下級生を中心としたチームが多く活躍した今年の甲子園だけに、
来年はいったいどんなドラマが待っているのか、今から楽しみでならない。 


 



2026年8月7日金曜日

立秋 (二十四節気の13番目、 四立 )

里山の奥に建つ、麻をたっぷりと使った友人の家を出ると、
目の前を鬼蜻蜓がすっと横切っていく。
その姿を目で追っていると、
森の奥から「ケケケケケケケ」とヒグラシの鳴き声が聞こえてきた。

暦の上では今日から秋が始まると言われても、この暑さでは信じられない――
そんなやり取りを毎年のように交わす時期だ。
それでも、鬼蜻蜓やヒグラシに出会うと、季節は確かに巡っているのだと気づかされる。

「誰でも人生の中で、ふと立ち止まり、自分の歩いてきた道と、
これから進むべき方向を見つめ直す時がある。」
             ── 星野道夫

人生にとって本当に大切な時間を意識して過ごせる秋となるように。
そのための準備を、一歩ずつ進めていく立秋の季節にしたい。  


 

2026年7月23日木曜日

大暑 ( たいしょ 二十四節気の12番目)

 


暑気至りつまりたる時節なればなり /『暦便覧』

ワールドカップの熱狂が冷めやらぬ中、梅雨も明け、
強烈な日差しが照りつける季節が始まった。

 全国では、甲子園への切符を懸けた熱い戦いが各地で繰り広げられ、
いよいよクライマックスを迎えている。
昨年の王者・沖縄尚学も苦しみながら勝利をつかみ、
三年生となった左右の二枚看板を中心に、夏の連覇へ挑む姿を見せてくれている。

思い返せば、昨夏の甲子園では二年生エースたちの活躍がひときわ印象的だった。
その彼らが三年生となり、再びあのマウンドに立つ姿を見られるのも、
この夏の大きな楽しみの一つだろう。

 大暑の木彫りは、夜空いっぱいに咲き誇る花火をイメージした。

 儚くも美しい一瞬を、一つでも多く心に焼き付けられる、
そんな季節になることを願っている。 


 


2026年7月7日火曜日

七夕

 

奇数の重なりも、すでに4つ目。 
「七夕」を迎えた今日、ふとそんなことを思いながら夜空を意識する。


暑さも徐々に厳しさを増し、そろそろ蝉の声も聞こえてきそうな季節。
浴衣に身を包んだ人々で街中がどこかふわふわと浮き立つような、夏祭りの夜が恋しくなる頃。


今年の夏も、様々な場所で彦星と織姫のような美しい再会を果たす人々がいることを、
夜空を見上げながら願わずにはいられない。
 
そんな温かな風景に思いを馳せつつ、
心待ちにしていた村上春樹の新刊を静かにめくる七夕の夜。 

2026年6月21日日曜日

夏至 (二十四節気の10番目)

 

どこかに美しい村はないか
一日の仕事の終りには一杯の黒麦酒
鍬を立てかけ 籠を置き
男も女も大きなジョッキをかたむける
 
どこかに美しい街はないか
食べられる実をつけた街路樹が
どこまでも続き すみれいろした夕暮は
若者のやさしいさざめきで満ち満ちる
 
どこかに美しい人と人との力はないか
同じ時代をともに生きる
したしさとおかしさとそうして怒りが
鋭い力となって たちあらわれる

——茨木のりこ「六月」(『見えない配達夫』所収)

地球の地軸が23.4度傾いているおかげで生み出される、豊かな季節の変化。
その変化のピークを示す二至の一つである夏至の日には、
日常では流れていってしまうような長いスパンの時間に想いを馳せたい。
そんな時に思い出されるのが、 今年、 生誕100年を迎える茨木のりこの詩。
人間らしく美しい街並みや人と人との温かい結びつきを、
仲間たちと共に力を合わせて形にしていきたいと、願う夏至の一日。






2026年6月6日土曜日

芒種 (二十四節気の9番目)

 

建築というのは、設計から竣工まで本当に長い年月がかかるものである。
我々が手掛けるプロジェクトは規模の大きなものが多く、
一つの建築が完成を迎えるまでに5年以上の歳月を要することは日常茶飯事でもある。
そんな中、今年の前半はいくつものプロジェクトが立て続けに竣工を迎えた。
長い時間をかけ、数え切れないほど多くの人が関わり、ついに社会へと手渡される。
そして人々に使われることで、ようやく建築に命が吹き込まれていく 。
穀物の種を蒔く時期を意味する「芒種」の季節。
何年も先に芽を出すであろう様々なプロジェクトの種に、
大きく健やかに育つようにと、改めて願いを込める 






2026年5月21日木曜日

小満 (二十四節気の8番目)

 

念願のオスロ・オペラハウスでは素晴らしいBOHの在り方に触れ、ドブロブニクではクロアチアワインの奥深さを知り、ロンドンでは建築の世界の幅広さを改めて実感する。そんな濃密な立夏の季節を経て、いよいよ緑が眩しく輝く小満の季節へと移っていく。

行く先々で出会う人々は、誰もが自分の仕事に誇りを持ち、それを心から楽しんでいるのが伝わってくる素晴らしい方ばかり。

そんな出会いから受け取った大きなエネルギーを大切に。目の前のプロジェクトと、その奥に広がる大きな社会をしっかりと意識しながら、一つ一つの仕事に誠実に向き合う二週間にしていきたいと思う。 



2026年5月5日火曜日

立夏 (二十四節気の7番目)

 

四立の一つ、夏の始まりを告げる「立夏」。
馴染みの蕎麦屋で始まる夏季限定の「バジル蕎麦」が、
この季節を彩る恒例の楽しみになったことに喜びを感じ る。

桜色に染まるオスロの夕焼けに包まれ、人々で賑わうオペラハウスを体感し、
都市の風景として鮮やかに溶け込む建築の在り方に思いを馳せながら、
今はハンプシャーの雄大な自然の中でこの立夏を迎えている。

かつて青春を過ごしたロンドンの街角には、
当時の青い感情が今も染みついているようで。
25年前の自分から改めてエネルギーをもらったような不思議な感覚に包まれる。

この夏は、さらにその先へと視線を投げかけて過ごす、
そんな季節にしたいと願う。




2026年4月20日月曜日

穀雨 (こくう 二十四節気の6番目)

 

春の最後を飾る「穀雨」の季節。
友人からのメールには、「これほどに振って音なし春の雨」という句が添えられていた。
優しい雨の静けさに春の終わりを感じるとともに、
意識はすぐそこまで来ている夏へと向かう。
この週末は衣替えを敢行し、初夏のヨーロッパを巡る旅の準備をする。
懐かしい街での旧友との再会、そして初めて訪れる国での新しい体験。
それらを楽しみに、この穀雨の季節をじっくりと慈しみながら過ごしていこう。



2026年4月5日日曜日

清明 (せいめい 二十四節気の5番目)


春もたけなわ、晩春の候。
咲き誇っていた桜が散り、新生活の華やぎが少しずつ落ち着きを見せるころ。
 
うららかな陽光が差し込み、すべての命が生き生きと輝き出す。
冬に溜め込んだエネルギーが、外に向かって一気に解き放たれる季節。 

季節の変わり目に揺らいでいた体調も、ようやく上向いてくる時期。
新しい出会いを心から楽しめる、そんな瑞々しい二週間になりますように。





2026年2月4日水曜日

立春(りっしゅん, 二十四節気の1番目)

 

昨年の立春は例年より一日早く、2月3日だったことを思い出す。 やはり3日の節分を経て、4日に立春を迎えるほうが、暦の流れがしっくりと体になじむ気がする。

節分の前夜には、澄んだ空に満月を見上げることができた。 あの月が少しずつ欠け、次に新月を迎える頃には春節がやってくる。 そう思うと、この15日間は一年の中でもどこか特別な時間に感じられる。

「今年の寒さは厳しい」と身を縮めて過ごしてきたけれど、 ふと届く日差しの中に、そこはかとない春の温かみを感じるようになってきた。

地面から顔を出す新芽のように。 これからは少しずつ、上を向いて過ごす季節にしていきたい。

 



2026年1月20日火曜日

大寒(だいかん, 二十四節気の24番目)

 

24節気の最後を担う大寒は、一年で最も冷え込みの厳しい季節でもある。

それに違わず、北京ではこの二日ほど雪がちらつき、気温はマイナス12度を記録した。
 全館暖房が基本の室内ではあまり違いを感じないが、
 一歩外に出ると、外気に触れる皮膚が痛みを覚えるほどである。

高校生にとって青春をかけたさまざまな戦いがクライマックスを迎えると同時に、
 大学進学に向けた大学入学共通テストも先週末に実施され、
 いよいよ次の春に向けて季節が動き出す時期でもある。

春の始まりとともに、新しい一年の巡りのスタートを告げる立春までの二週間。
 冬に溜め込んだエネルギーを、少しずつ外へ向けることを意識しながら過ごしていきたい。

2025年12月7日日曜日

大雪(たいせつ 二十四節気の21番目)

 

師走に入り、大雪を迎えると、
一年もいよいよ残りわずかだと実感が湧いてくる。

今年起きたさまざまな事件や出来事を思い返しつつ、
来年に向けての準備を始める頃合いでもある。

年初めに願ったことがどれほど実現できただろうかと振り返りながら、
せめて身の回りだけでも整えて年を越したいと願う。

机まわりをきれいにすると、次は本棚が気になりだす。
心と環境を整えながら、今年最後の24節気である冬至を迎えよう。







2025年11月7日金曜日

立冬 (りっとう 二十四節気の19番目)

 



MLBのワールドシリーズがあまりに盛り上がり、
野球とはこれほど面白いものかと改めて教えてもらえた7試合だった。
各年代にはそれぞれのスターが生まれるものだが、
大谷に山本と二人のGOATの共演を見られる幸せを噛みしめる数日間であった。
その熱が身体から抜けない気がするが、
気が付けば周りはすでに秋も終盤。
今年こそ目が現れるような真っ赤な紅葉に囲まれて、
この先の冬への準備に心を向けていければよいと願う。