ラベル ホテル の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル ホテル の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2017年10月8日日曜日

季節の風物詩 一級建築士試験2017 設計製図「小規模なリゾートホテル」


これだけはチェックしようと、カレンダーに予定としていれている季節の風物詩。毎年、国が見据える現在と未来の姿から導かれ、建築家として社会に関わるために、どのような理解が必要だとつきつけられるような製図試験の課題。

H23 2011「介護老人保健施設」
H24 2012「地域図書館」
H25 2013「大学のセミナーハウス」
H26 2014「温浴施設のある道の駅」
H27 2015「市街地に建つデイサービス付き高齢者向け集合住宅」
H28 2016「子ども・子育て支援センター(保育所、児童館・子育て支援施設)」

高齢化社会、地方創生、生涯教育、地域拠点、コンパクトシティ、子育て支援と国の政策に歩調を合わせるようにして出題されてきたこの数年の設計課題であったが、今年は

H29 2017「小規模なリゾートホテル」

ということで、年間訪日者3000万人を超え、国の収益において大きな割合を占めるようになった「インバウンド」が今年のターゲットということか。

解答例などを見てみると「傾斜地に」という条件と、車寄せなどの全面動線を考慮し、 客室 の配置から全体の計画がざっくり決まってくるという感じのようである。客室14室程度のホテルだと、かなりの高級感を感じそうな気がするが、来年はこの規模に絞り、宿を探して尋ねるのもいいかなと思いながら今年の試験を総括する。

2017年6月18日日曜日

One Blackfriars SimpsonHaugh 2018



せっかくの日曜日だからと、昨年も足を運んだコロンビアロード・フラワーマーケット(Columbia Road Flower Market)沿いにある、友人の飛び切りのおすすめだという素敵な雰囲気の隠れ家的なレストランで友人達とゆったりしたランチを取り、ロンドンっ子が両手に抱えきれないくらいの花を買い込んで帰っていく姿を見ながら食後のコーヒーをいただき、せっかくだからとテムズ以南の新しい建築を見ていこうと友人が車で案内してくれることに。

テロ対策で市内は30kmとスピード制限がかけられるその道すがら、テムズの袂に独特な姿を見せ始めている建設中の建物が。急いで写真に納め調べてみると、SimpsonHaughというイギリス人建築家の設計事務所による、One Blackfriarsという高級アパートメントとホテルが入る高層ビルのようである。

50階建てで170Mの高さとなるその建物は中央部が膨らみ登頂部に向けてセットバックしていく特徴的な形で、ロンドンのスカイラインに新しい表情をすでに与え始めている様子である。

ザ・シャード(The Shard)やウォーキートーキー(Walkie-talkie)に続く、ロンドンの都市改造の新しいメンバーとして、テムズ川沿いの一等地に立つこの建物が来年の今頃には完成しており、どのような表情としてロンドンの都市に現れるのか、高層ビルに関わる建築家としてぜひとも見てみたいものである。






2016年11月7日月曜日

サン・ジャックの塔(Saint-Jacques Tower) 1522 ★★



朝の6時に空港に到着し、空港のWifiを利用して市内までどうやって移動するのかをGoogle Mapで調べ、「なるほどRERと呼ばれる電車で市内までいって地下鉄へ乗り換えか」と便利になった世の中を実感し、やっと出てきた荷物を持ってRERの乗り場へと向かい、今度は電車のチケットを10€で購入しようとするが、チケット販売機はコインと10€と20€のみ受け入れで、手元にある両替していたお金は50€と5€のみと早速トラブル。チケット販売オフィスは早朝だからまだ人がおらず、何とかならぬか画策すると、クレジットカードで買える販売機を見つけて何とか購入。数分後に出発の電車を逃さすように小走りでプラットフォームへと向かう。

一時間ほどで到着したホテルの最寄り駅を出ると、外は冷たい小雨。想像以上に厳しい寒さに不安を感じながらホテルに到着すると、この時間でも入れる部屋があるというので、とにかくチェックインをして冷えた身体を暖めながら、パソコンを開いて今日一日をどう有効活用できるか、リストアップしていた目的地をマップで確認しながらルートを想定していく。

まずは9時にオープンするサント・シャペル(Sainte-Chapelle)を目指しながら、近くのカフェで朝食を取るためにホテル付近でお勧めされているカフェを探し出してマッピングし、時間に余裕を持って出かけることにする。

歩くこと5分ほど、目的のカフェが位置するのはこのサン・ジャックの塔(Saint-Jacques Tower)のすぐ向かい。フランス語のみのメニューと受け答えに、久々に異国を感じながらなんとか注文を終えて、手を擦りながら見上げるこのタワー。

夏には内部に入ることができるというこの塔は、もともとこの地にあった教会の一部であり、かつ遥か西のスペインの聖地サン・チャゴ・デ・コンポステーラへ繋がる巡礼の道の始まりの地として知られているらしく、かつて映画「星の旅人たち」を観た時に、いつか時間をかけてこんな旅をしてみるのを悪くないなと思いを馳せたの旅の出発点がここであり、その巡礼路の一部として世界遺産にも登録されている建物でもあるという。

1522年に竣工したサン・ジャック・ドゥ・ラ・ブシュリー教会の鐘楼であり、その教会本体はフランス革命時に破壊され、この塔だけが残り、その後1850年代に周囲の広場とともに改修・整備が行われ今に至るということで、その時期はセーヌ県知事としてオスマンがパリの大改造に腕を振るっていた時期に重なることから、この改修において高さ52 mのこの塔がアイキャッチとしての機能を持たされたのが良く分かる。

パリの中心と呼ばれる4区の中でも、長くこの地でパリの発展を見続けてきたこのサン・ジャックの塔。その塔を見上げながら、残りのクロワッサンをコーヒーで流し込み、セーヌ川の真ん中に浮かぶシテ島へと足を向けることにする。



パリ4区

2016年4月20日水曜日

Hotel Carlota_JSa Arquitectura 2015 ★★



イベントの主催者が用意してくれたホテル。まだ若い地元の建築家によるリノベーションのホテルだという。高密度の中心部に位置し、中央にプールが設置された中庭に面して外部廊下にて各部屋へとアクセスする。

エレベーターもかつて古くから使われていたであろう、シャッターで仕切るタイプのものでなかなかの雰囲気が味わえる。他のイベント関係者も宿泊していることもあり、イベントの打ち上げ終了後に各部屋からアクセスできる屋上のテラスにて遅くまで建築談義に花を咲かせながら、おおらかな建築のつくりに感心する。


















2016年2月9日火曜日

中国割烹旅館掬水亭 池原義郎 1990 ★★


--------------------------------------------------------
所在地  埼玉県所沢市大字上山口
設計   池原義郎
施工   西武建設株式会社
施主   西武鉄道株式会社
竣工   2013
機能   宿泊施設/ホテル
規模   地下1階 地上6階 塔屋1階
建築面積 965.78m2
延床面積 7,010.35m2
構造   RC造
--------------------------------------------------------
1992年 BCS賞
--------------------------------------------------------
狭山湖と双子のように広がる多摩湖。その東の端に立つのがこのホテル・中国割烹旅館掬水亭。先ほどの早稲田所沢キャンパスの設計者である池原義郎の設計による作品である。施主は西武鉄道で、施工は西武建設。この作品以前に手がけてきた西武グループ関連のアイコンとなる二つのプロジェクト、ライオンズ球場と西武遊園地も手がけてきた後に同じ西部グループの目玉となるホテルの設計を依頼されるということは、前の二つの仕事に対する施主側の満足度が相当に高かったこと、そして建築家と施主の関係が非常にうまくいっていたことが見て取れる。

それにしても、球場や遊園地という非常に特殊な建築で、下手をすればそれをきっかけにその分野に特化して次のプロジェクトへとつなげていきそうであるが、あくまでも建築という懐の広さを感じさせるように、そしてあくまでも建築の分野で設計に向き合っていくという意思表明のように、この掬水亭が設計されていた時期には日本中でいくつかのホテルプロジェクトが進行していたようであり、不特定多数が訪れ、一日単位で空間を体験していくホテルというプログラムに対してそれぞれの場所で異なる解答を探そうとしていたようである。

この場所では多摩湖のすぐ脇で、しかも少し起伏を持った敷地で前面道路からスロープを上がってアクセスするロビーでもすでに湖に向けての眺望が望めると非常に恵まれた敷地を最大利用する為に、客室を21室と限定し、全室から湖への眺望を確保できる配置として、宴会場やレストランを併設することで、恐らく時代的にも西武グループ、もしくは関連会社の保養施設的な要素を持ちつつ、高級宿泊室として外部にも開かれていたのであろうと想像する。

車寄せのキャノピーはその後いろいろな作品で見ることができる三角形を使用した軽やかな構造で、それぞれの部分がさらに細かいスケールの要素へと還元されており、それは内部のロビーでも同様に、池原デザインだと理解させてくれる特徴的なディテールが散りばめられている。

恐らく客室からは、朝目覚めとともに美しい多摩湖に反射する朝日で見られるのだろうと思うと、いつか泊まりに来てみたいものだと思いながら徐々に三多摩地域に近づいていくことにする。








2016年2月8日月曜日

洞察力とフィードバック

建築家という職業は、たとえば素晴らしいホテルや旅館に泊まること、そこで空間を体験すること、どのようなサービスや空間で人は快不快を感じるのかと理解することが、ただの楽しみではなく、日常の業務に直結する経験や知識として蓄積され、それが次の仕事へとフィードバックを与えることができる、非常に稀有な職業だとつくづく思う。

定年退職をして、時間と経済的に余裕があるからと高級ホテルに宿泊する高齢者の過ごし方ではなく、現役の時にこそ、そういう場所に訪れて豊かな空間体験と、高級なサービスや空間とは何かを身をもって理解する。そしてそれを次の糧にしていくのが大切なのだということ。

そんなにいくつも宿泊することはやはり経済的に難しいが、だからこそ前もっとリサーチをし、今年はぜひここに泊まってみたいと目的を持って訪れる。宿泊することは何よりもその宿を理解する上で一番であるが、それが叶わないのであれば、食事やドリンクだけでも、一人のゲストとしてその場所に訪れる、そういうことを比較しながら意識を持って積み重ねていく。

そういうことがいつか素晴らしいホテルを設計する強い土台になるのだろうと思うながら、これはホテルなどの宿泊施設だけでなく、レストランや映画館、図書館や病院、すべての場所が生きた教科書であり、いいところ、悪いところを身をもって体験し、観察し、そして吸収する。そういう態度こそが、職業人として求められるものなのだと、改めて感じる年齢になってきたのだと痛感する。

パークハイアット東京(新宿パークタワー) 丹下健三(建物) ジョン・モーフォード(インテリア) 1994 ★★★


--------------------------------------------------------
所在地  東京都新宿区西新宿
設計   丹下健三(建物;新宿パークタワー)、ジョン・モーフォード(インテリア)
竣工   1994
機能   商業施設、ホテル
部屋数 178室
規模   地上52階・地下5、パークハイアット東京(39 - 52階)
建築面積 9,511m2
延床面積 264,140m2(新宿パークタワー)、
構造   S造
--------------------------------------------------------
あるプロジェクトのクライアントが、東京のこのホテルの内装の雰囲気が気に入っているというので、ならば久々に見に行かなければと足を運んだパークハイアット東京。言わずとしれた西新宿を代表する建築で、戦後を代表する大建築家・丹下健三の設計によるものである。

隣接する東京都庁舎も同様に丹下健三の手によるもので、そちらの竣工が1990年、そしてこのパークハイアット東京がはいる新宿パークタワーが遅れること4年の1994 念に竣工しており、これだけ巨大な建物なので設計期間にも数年単位で時間がかかっていることから、二つの建物が似たデザインをしているのも納得というところであろう。

様々なところで「ロボットみたいで、いつか変身するのでは?」と揶揄されることもある東京都庁舎に対して、こちらは東京ガスの所有する土地に、西新宿の新都心計画を見越して、「国際レベルのホテルを」ということで招致されたハイアットグループのホテル。「都会の隠れ家」というコンセプトを掲げ、客室数を177と限定することで高級感を維持する戦略で、入り口もスロープでアクセスする地上2階部分の簡易なロビーから専用エレベーターで41階に位置するロビーへとアクセスし、そこでチェックインを済ませて、奥まった場所に設置されている客室専用エレベーターによって各フロアにアクセスするように、徹底してプライバシーが守られている設計となっている。その為にすでに20年近い年月が経った今でもその人気は衰え知らずで、ソフィア・コッポラ監督の「ロスト・イン・トランスレーション(Lost in Translation)」でも、ここを舞台として、ハリウッドの大物俳優が連泊する姿を描いていた。

低層部に入る建築関係のショールームが集まるOzoneには、たまに展覧会などを見に来るのだが、副都心計画があくまでも当初の予定通りは進まず、現在でもJRの新宿駅が人の流れの中心として君臨しているのは変わらず、そうなると新宿駅からここまで徒歩だと軽く20分近くかかり、かといってホテルが手配している周回バスを待つというのもまた時間のロスがあるしと、結局運動もかねてと歩いて向かう。

基本的に徒歩で来る人の動線はあまり重要視されてないのがこのような高級ホテルというものだろうか、南側から到着すると一体どこがどのレベルなのか、そしてロビーに上がるエレベーターがどこにあるのか、かなり混乱しながらやっとたどり着く。ロビー階には広々とした空間にパノラマに広がる東京の雑多な風景。それぞれのテーブルには、平日のこの時間にこのような高級ホテルのラウンジでお茶をするのがさも当たり前かのような優雅なマダム達。ソファで妻と一緒にケーキセットでも頼んで、せっかくだからと奥のライブラリーなどを見てまわり、少しだけも「ロスト・イン・トランスレーション」の雰囲気を味わうことにする。






ライブラリー