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2018年1月29日月曜日

情報の過剰摂取

食事でも取り過ぎは身体に良くない。
「もう少し・・・」
と欲をだせば、ぐったりと動けなくなる。
腹八分。なんでも、適度が一番。

同じように現代社会では多くのものが身体に入ってくる。
その中で近年加速度的にその量を増やしているのが「情報」。

仕事、テレビ、新聞、ラジオ、ブログ、スポーツ、バラエティー、読書、習い事・・・・

意識をしなければ、一方的に増えるだけ。
食べ過ぎた後にぐったりしてしまうのと同様に、
これだけの情報を無意識に身体に入れ込んでいれば、
身体が、脳がいったいどうなってしまうのか。

情報の断捨離。
収納と同じく、スペースに3割ぐらいの余裕を持たせることを理想に。
情報をフィルターし、しっかりと棚の中に片付ける。
その為に、中華新年を機に、どれが必要で、何が要らないのか、
仕分けをしっかりして次の一年を迎えることにする。

栄養過多にならないこと。
それを目標に過ごす一年にしたいものである。

2018年1月21日日曜日

季節の風物詩 都道府県対抗男子駅伝2018


松の内を終えたらあっという間に二十四節気最後となる大寒を向かえ、やはり一番冷え込む時期だなぁと思いながらテレビをつけると、新年の到来を告げるスポーツの風物詩の最後となる都道府県対抗駅伝の男子の大会が行われている。

駅伝ファンにとって堪らないのは、クリスマスから始まった駅伝シーズン、京都・都大路を舞台とした高校駅伝。元旦の群馬を舞台としたニューイヤー駅伝(実業団)、そして2日3日と二日に渡って東京から箱根までを往復する箱根駅伝(大学生)、それぞれで画面を彩った様々な選手が、今度はそれぞれの出身地に戻り、都道府県のチームとして今度は広島を舞台に熱い戦いを繰り広げるということで、一ヶ月近い駅伝シーズンを走馬灯の様に振り返りながら楽しめるという何とも贅沢な大会。

テレビ放送も、高校駅伝がNHKで始まり、ニューイヤー駅伝がTBS、箱根駅伝が日テレで最後に都道府県対抗駅伝でまたNHKへと一周するなんとも駅伝っぽいではないかと思いながら、広島から宮島までの海沿いの道を往復するコースを眺めながら、今度の休みは久々に広島だなと心に決めながら応援する。

最終区で見事な逆転を成し遂げた埼玉の優勝で終えた大会であったが、福岡の中学生・石田洸介の圧巻の15人抜きのシーンは、来年の高校駅伝でスーパールーキーとしてすぐに出てくるのだろうと新しい楽しみを与えてくれて、5区の高校生区間で前評判通りに区間賞を獲得したのは、高校駅伝で優勝した長野の佐久長聖高のエース・中谷雄飛。高校駅伝同様強気のレース展開を見ていると、こちらも来年の箱根駅伝に一年生選手としてでてくるのではと楽しみは膨らむばかり。

そして最終区で見事な逆転を演じた設楽悠太は青学が台頭する前の箱根駅伝で黄金時代を築いた東洋大学の中心選手。2月に開催される東京マラソンでの昨年のリベンジが期待される日本屈指の長距離ランナーであり、その実力を遺憾なく発揮した姿を見ると、東京マラソンが更に楽しみになるばかり。

京都、群馬、箱根に広島と舞台を違えながらも一年この晴れ舞台を必死に追いかけてきた選手たちが繋いだタスキ。そのタスキで描かれた様々なドラマはまた新しい一年を経て来年この場所へ新しいドラマを描きに戻ってくると思うと、スポーツという季節の風物詩に感謝しながら、花の内ボケしている頭をそろそろ日常へともしていくことにする。

福岡の中学生・石田洸介




2017年12月24日日曜日

季節の風物詩 高校駅伝


今年はクリスマスイブに重なった全国高校駅伝。京都・都大路を舞台にした高校生長距離ランナーの決戦の日。年末の風物詩となったこの大会は、「都大路」と検索するとほぼこの高校駅伝関連のサイトや画像で埋め尽くされるほど、すっかり世間に定着している。

年末年始の様々なスポーツの祭典の始まりの合図を鳴らすかのように、冬の寒空の下、仲間からの声援を背中に受けて、徐々に沁みこむ汗と思いでじっとりと重くなる襷をつなぎ、新年をすぐ目の前に迎えてた古都をマラソンと同じ42.195キロをチームとして駆け抜けていく。

高校駅伝ならではのスピード勝負。一区ごとに先頭が入れ替わる手に汗握る展開と、昨年の雪辱に燃える伝統校同士の戦いと、一年で成長した生徒たちの姿を見ながら、「あぁ、今年も一年が過ぎたのだな」と感傷に浸るのに持ってこい。

男子は下馬評通り、長野の佐久長聖が迫る岡山の倉敷を振り切り、4区間で区間賞を獲得する圧巻の勝利。昨年は3位に倉敷、4位に佐久長聖だった為に、チームの総合力が感じられるレース展開であった。昨年優勝の広島・世羅が20位に終わったこともあるが、1,2年生が多数を占めた佐久長聖は来年も間違いなく優勝候補だろうと胸を熱くする。

女子は昨年の15位から圧倒的な強さで優勝した宮城の仙台育英。こちらも昨年優勝の広島・世羅が9位に落ち込むなど、やはり高校駅伝は有力選手の卒業によって、毎年その勢力図が変化するのも魅力であるが、2位に入った長野・長野東や、男子の3位に入った宮城・仙台育英など、やはり強豪県というのはあるのだなと改めて理解する。

毎年、コースのアップダウン、中継点など徐々に詳しくなっていきながら、いつかは、いつかは、この冬の寒空の下、道の脇で選手が駆け抜けていく姿に声援を送りたいと願いつつ、そうだったら、どこで応援しようかと考えを巡らしながら年末へと突入する。





2017年7月30日日曜日

「ツール・ド・フランス2017 総集編」 NHK BS1 2017 ★★★



ヤン・ウルリッヒやマルコ・パンターニと、大学生時代は夜中遅くまで熱中し観戦したものだが、無敵の王者ランス・アームストロングのドーピング事件以降、なんとなく追うことをしなくなってしまっていた。が今年は初夏を北フランスで過ごしたこともあり、ふと「久々に・・・」と追うことにした今年のツール・ド・フランス。

今年はドイツのデュッセルドルフをスタート地として、三連覇を成し遂げているエース、イギリス人クリス・フルームを中心に、圧倒的なチーム力を誇るチームスカイ。

地元フランスから久々の王者を、という期待を一身に受けるロマン・バルデ (フランス)やフルームの元アシストで今はBMCのエースとして参加するリッチー・ポートに、山登りでできるだけポイントを稼ごうと虎視眈々と黄色のマイヨ・ジョーヌを伺うファビオ・アルなど、フルームの後を伺う各チームが、23日に渡りフランス中を駆け巡るレースの中で様々な駆け引きを行い、チーム力を駆使して最後はパリに戻るこのレースは、やはり抒情詩の様なドラマを引き起こす。

結局フルームの4連覇で終え、次は偉大な先人たちに並ぶ5連覇に挑戦ということで、来年も目が離せないところであるが、夏の風物詩ともいえるこのツール・ド・フランスはやはりいいもので、いつかはアルプスで、そして最後の華やかな雰囲気のパリで、ものすごいスピードで駆け抜けていく選手たちを応援したいと改めて思わずにいられない。





2015年12月20日日曜日

風物詩 都大路の高校駅伝

テレビで高校駅伝をやっているのを見つける。「都大路を駆け抜ける高校生たちの姿が・・・」というフレーズが耳に届くと、「ああ、今年もすぐに終わりだな・・・」と年の瀬を感じるように、京都を舞台にして行われる高校駅伝の晴れ舞台。

高校野球部員が目指すのが甲子園。
高校サッカーの聖地が国立競技場。
高校ラグビーの聖地が花園。
高校駅伝部員が目指すのがこの京都の都大路。

都道府県別での争いとなるから、画面のこちらで見ている我々も、どうしても地元愛を刺激され、「地元代表校が順位を一つ上げた」となるとやはり気持ちがいいものである。男子はフルマラソンと同じ42.195kmを7人で、女子はハーフマラソンの21.0975kmを5人でつなぎ、高校生で各地道府県からの代表ということもあり、各区で走る選手の力も時に大きく差があり、思いもしない大逆転なども起こりうる。だからこそ、ついついテレビの前から離れられず、また後でニュースで結果だけ見るのと、リアルタイムで手に汗握る争いを見るのとでは、大きな違いである。

これこそが、季節ごとに何年も費やしてきた青春をぶつける高校スポーツの祭典は思いもよらぬドラマを生み出す風物詩となりうるのだろう。

今年は男女ともに広島県の世羅高校のアベック優勝で幕を閉じたが、沿道で応援する人々の姿を見ながら、各校代表として冬の寒い時期に市内を駆け回る中学校の駅伝大会の様子を思い出して感傷に浸りつつ、やはり風物詩は見逃すべきではないと、野球、サッカー、ラグビーに駅伝と、高校スポーツの晴れ舞台が行われる時期をgoogleカレンダーに定期イベントとして入力することにする。

2015年12月5日土曜日

「NHKスペシャル|調査報告 介護危機 急増“無届け介護ハウス” 」 NHK 2015 ★★


2016年の日本。どんな都市に住んでいようとも、現役世代は親世代やその上の祖父母世代の介護問題を、現実問題として常に日常の中にあるか、すぐ横に迫っている。誰もが家族や親戚の中で、介護が必要になった高齢者をどうの施設に入れるか、また費用や待機の問題で入れることが出来るか、そしてそのやり取りにおける家族への負担を実際に体験しているはずである。

それと同時に、この10年近くで地方を巡ると大きく風景が変わったことに気がつくことになる。「こんなところに大きな施設ができたけど、なんだろう・・・」と思うような施設は大概、この様な高齢者ケア施設であることが多い。非常に控えめで、決して目立つことなく風景に溶け込もうとしているが、それでもやはり何かしらの違和感を風景に与える結果になっているのは否めない。

そんな高齢化社会が実際問題として社会の風景を変え始めた現代。政府が取った方針は、できるだけ「在宅介護」を推し進め、社会保障費を抑制しようとする政策。病院側には、患者の多くを在宅に帰さなければ診療報酬を加算しないようにして、無期限に受け入れるのではなく、できるだけ「帰宅」という結果を出させようとし、また逆に高齢者側にも比較的低予算で入所することが出来る「特別養護老人ホーム」への入所条件を厳しくすることで、現在でも多くの人が待機老人として入所街しているにもかかわらず、更に入所できない人を増やすことになっていく。

そうなると、自らの経済的負担を増やして、民間のケアハウスなどに入所しろということになるが、それには驚くほどの費用がかかるのは、恐らくどこの家庭でも既に経験済みにことであろう。何百万、何千万という費用を払ってケアをしてもらうか、それとも仕事を辞めたりやり方を帰ることで、家庭の中から誰かが介護をするか、いわゆる介護格差がより一層鮮明になることになる。

そんな状況の中ある意味必然として登場するのがこの無届け介護ハウス。その内容はいくつか異なるケースがあるが、この状況に苦しむ人々に対しての受け皿をなるべく、低予算でも十分なケアが受けられる施設を高齢者やその家族の視点から考えて社会に提供しようとし、空き家となった民家に手を入れて、共同で生活を営みながらケアを提供するというケースにおいては、政府が定める施設の設備まで完璧に満足するには相当な費用がかかってしまい無理ではあるが、実際問題として生活を営み、困っている家族の負担を軽減するための使用できる施設としてはなんとか十分であるという状態であり、その為に行政側からとしては基準を守るために改修をするなどの要求を突きつけられ、それが出来ないなら施設の運営を取り消す処分を行うなどの厳しいやり取りが行われている。

そうで無いケースは、「安かろう、悪かろう」ではないが、この状況を一つのビジネスチャンスと見込み、誰も使わなくなった建物のストックを利用して、高齢者の生活に相応しい建物として改修することなしに、とにかく家庭では面倒を見れなくなった高齢者を家から出し、その受け皿として低予算で入ることが出来る場所を提供するという施設も登場してくる。もちろん、集団が共同で生活する、更に身体の不自由な高齢者であるということを考えれば、火災など何か発生したときに大きな問題になるのは目に見えている。

だからこそ行政側もできるだけこれらの施設を取り締まろうとするが、それでも社会のいたるところに、こういうレベルの施設でも高齢者を受け入れてくれ、自分達の負担が軽減するのは非常に助かるという家庭があるというのも現実であり、彼らに上記の非常に高額な民間の受け入れ施設を許容できる経済的余裕があるかと言えば、決してそうではなく、その社会の歪が徐々に大きくなっていっている。それが現在の日本。

恐らく、今後都市部よりも地方都市の方が、この社会問題によってどんどん風景が変わり、その速度はより加速するものと想像される。それぞれの場所で生まれた人々が誰でも入れることの出来た小学校や中学校。それと同じ様に、人生の最後に誰でも低予算にて入ることの出来、そして決して贅沢ではないが必要十分なケアが受けられる終末を迎える施設はどうにかして行政側で作り運営していく、それが本当に必要な時期になってきているのだろうと想像する。

その為には、本当に税金が不必要なところに回されたり、途中で搾取されたりと消えたりすること泣く、明確にどんな使い道がされたのか、それがどんな効果をもたらしているのか、そんな風に国の運営の仕方が変わっていくことを願うばかりだと思いながらテレビを消すことにする。



2015年11月20日金曜日

「WOOD JOB!〜神去なあなあ日常〜」 矢口史靖 2014 ★★

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スタッフ
監督 矢口史靖
原作 三浦しをん
脚本 矢口史靖
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平野勇気:染谷将太
石井直紀:長澤まさみ
飯田与喜(よき) :伊藤英明
飯田みき(与喜の妻): 優香
中村清一 :光石研
中村祐子(清一の妻) :西田尚美
田辺巌:マキタスポーツ
小山三郎:有福正志
林業組合専務:近藤芳正
山根利郎:柄本明
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なにやら後ろに大きな意図がやたらと見え隠れする映画である。それは

1 映画を使って地方の村おこし
2 映画を使って、廃れてきている産業の活性化

恐らくこれらは昔から行われていたのだろうが、この数年は地方の行政庁から助成金も期待できるので確実に黒字になると、幾つもの広告代理店が挙って企画をあげているのでは?と勘ぐりたくなってしまう。

それでも、今まで目に触れることのなかった地方の生活。そしてそこでの仕事や日常の姿を美しく、またコミカルに描くことで、出て行くばかりの人でなく、興味を持ってその地に足を運ぶひと、観光に訪れる人、移住を考える人などが増えればそれでもいいのかと知れないというのもまた当然のことで、そうなると「映画」というメディアの持つ意味もまた多様化してきているのだろうかと、なんともいえない感情を抱くことになる。

ロケが行われたのは三重県津市美杉町


トンでもない山奥の町で、林業を営む人々の姿を、都会からひょんなきっかけでやってきた若者の姿を通して描いていくという物語。主役に染谷将太でその脇を固めるのが伊藤英明、長澤まさみ、優香に西田尚美と若い世代相手でも十分に受け入れられそうな役者を揃え、テンポ良くコミカルに話は進んでいく。

身体の中まで清らかになる空気が満ちていそうな森や、こんな村なら住んでみたいと思えるほど美しい風景。そして毎日がしっかりと太陽の動きと連動してゆったりと流れる時間。

都会と地方の格差が叫ばれて久しい現代。この映画をきっかけに、都会の時間から離れてみようかと思う人がいるのかもしれないし、その足が向かう先がこの風景となることもあるかもしれない。それでいいのかも知れないが、やはりこれは映画なのか、それともテレビの延長なのか・・・と思ってみるとやはり製作の中にあるのはTBSテレビや博報堂の名前・・・

メディアミックスもいいが、時間が限られているのなら、やはり映画らしい映画を観たいものだと改めて思うことになる一作かもしれない。














2014年3月24日月曜日

希少性を薄める

テレビを見ていると相変わらず、「格差」「貧困」という内容で世間の不安を煽るような内容が流されている。「熟年離婚」や「介護」といった新しいものとくっつけての、新しい貧困のあり方を紹介し、誰でも貧困に陥ることはありうると警鐘を鳴らす。

その中で一点だけ気になったのが、親の貧困状態が子供の教育の機会の不公平を作り出していること。これは常識的に考えて、どの時代でも起こっていたことである。生活レベルの高い親は十分に子供へのケアを与えられ、また教育やスポーツなど様々な機会をも与えてあげることができる。得てしてそれらは時間と経済性という二つの余裕がないとできないことである。

しかし問題なのは、現在の教育システム。受験がある種テクニックの習得になっている状況では、如何にそのテクニックを身に付けることができるか、学校では教わらない内容が受験の現場で試され、その対策として塾に通って受験用に技術、テクニックを学ぶことができた子供のみ、優秀な学校に入学できる。

優秀な学校に入ることは、学歴を手に入れることと同時に、優秀なクラスメイト達と過ごす時間をも手に入れる。これが子供の生き方、時間の過ごし方に大きな影響を与えてしまう。どんなに素地が悪くても、一度そこに入ってしまえば、長年揉まれていくうえでそれなりに優秀な子どもになっていくシステム。

そう考えれば、塾に高い学費を払い、自分の子供だけには特別なテクニックを身に付けさせようと投資する親の気持ちも分からないではない。しかし、いくら子供や親がより高いレベルの学校に行きたいと望んでも、塾に通う経済性を持ちえない限り、自分ではそれを学ぶことができない。つまり親の経済性が大きなハードルとして子供の人生を決めてしまっている。

これは大きな問題である。酷い不公平な事態である。

経済性を持つ親は、できるだけ競争を楽にするために、より高い学費でより優れた内容の塾があればあるほど喜ぶはずである。愚かな自らの子供でも、お金さえ払ってその塾に通わせれば、そこに通うことができない一般の子ととの差を開けることができるから。

つまりは希少性をお金で買うことで格差の上への新路を進む現状。これでは同じ膠着した社会構造を保つだけで、何のイノベーションも起こらない。子供の能力とやる気にそって学ぶ可能性を与えてあげることができるのが健全な社会であろう。

ではどうするか?

それは価値を生んでいる希少性を薄めてやればいい。つまりは塾で高い学費を払ってでしか学ぶことができない知識、技術、テクニックを無料で公開し、誰でもそれを学ぶことができるようにしてあげればいい。なんともまっすぐな回答である。

それを実践しているのが東京大学の学生が立ち上げたNPO法人「manavee(マナビー)」。「地理的・経済的な教育格差の是正」を目標に、誰でも行きたい大学に行ける学習環境をウェブで無料にて提供するサービスを、ボランティアの大学生が教師を務めることで運営している団体だという。

社会の中ですでに「持つ者」となっている人々はその地位、利権を保持するために、できるだけ流動性のない社会を望む。硬直した社会が全体の利益になっている時代はそれでもいいか、変化が必要な現代のような時代には、さまざまな階層から新しい才能を持った若者が出てくる必要がある。

お金を払うことで、特権階級に居続けようとするお金持ち。その欲望をビジネスに転嫁する塾。ガチガチにビジネス化された教育制度の中ではじき出されて学ぶ機会すら得られない子供たち。

それを変える可能性のある大きな試みだろうと思われる。

そう考えると、ほかに希少性を薄めることで格差を解消することにつながることは多くある。本来誰もが発信者になることを可能にしたネットというのは、本来こういう目的につながるべきことであると思う。

このブログも、自分が若く建築を学び始めたばかりの時に、少しでも上の世代が何を考え、実際にどういう具合に設計実務の日々を送っているのか、その過程の中で何を見て、何を学び、どう職業的能力の向上につなげるのか。そんなことを知りたいと思っていたということは、今もどこかで同じように悩んでいる若者がいるはずで、ひょんな機会にその彼がこんなブログに目をとめて、少しでも建築家としての将来に明るい見通しを持つことができるようにと思っている。

百科事典が高価で特権階級しかある一定の知識にアクセスできなかった時代から、誰もが望めばどんなことでも知りうる時代に入った我々。覆い隠すことでは希少性を担保できなくなった時代には、新しい希少性によって価値を作り出していかなければいけない。

何を破壊し、何を新しい価値とするか。そしてその価値に自分がどう貢献できるかを考えながらテレビを消すことにする。

2014年3月7日金曜日

人は忘れる

人は忘れる生き物である。

それは複雑な現象の中で生きていく現代人として自己防衛のための必要な手段でもある。しかし、一方では繰り返される映像を嵐のように浴びせてくるメディアによって、少し前のことを「すぐに忘れる」ように仕向けられているようにも思われる。

昨日まで、三重で起こった中学生殺害の容疑者として捕まった高校生のことについて熱を帯びていた報道が、今日には柏で起こった通り魔事件ばかりに重点を写し、昨日までの事件がまるでなかったかのように報道しない。

そして明日はまた違うものに重点をシフトしていくのだろう。

すぐに新しいものに、少しでも新しい刺激を視聴者に与えて、その見返りに視聴率を獲得する。メディアも競争社会である以上、生き残るためには、少しでも視聴者が求めるもの、つまりは新しい刺激を与え続けなければいけない宿命。

新聞やテレビといった鮮度を売りにするメディアでは、一度重点的に扱った事件であろうとも、それが何も解決していなくても鮮度が落ちたと判断したら、すでに扱う内容から外されていく。

ちょっと前に起こった大雪による断絶された地域の問題もそうである。本来は、その現象を報道するよりも、なぜそれが起こったしまったのか、何が問題なのか、どんな脆弱性を持ち、次にそれが起こらないためにはどのようなことを準備をすればいいのか、視聴者レベル、行政レベルで何を変えなければいけないのか。

そんなことを突き詰め、分析し、喚起し、提案していくのがメディアのある種の役割であることは間違いない。「一時あれほど騒いでいたのに、どうなったのだろう?」とふと思い出す事件はさまざまある。

餃子の王将
相模原の女児行方不明事件
広島少女遺棄事件
千葉・茂原「77日ぶり発見女子高生」
ゆうちゃん 遠隔操作
村人全員から虐められてた 山口県周南市集落放火殺人事件
京都府福知山市の花火大会
三鷹の女子高生殺害事件
尼崎の角田美代子 
尼崎の中学生男子監禁

「いったいどうしてそんなことが起こったしまったのか」と思いながらも、次から次へと押し寄せる鮮度の高い事件によって、記憶はどんどん棚の奥へとおしこめられ、次第に忘れ去られていく。本当に重要なのは、なぜそれが起こったかを知り、理解し、次に起こらないように気を付けること。

恐らく報道に携わる人間も、相当な葛藤を持って仕事に臨んでいるのだろうと想像する。本当に必要なのは、その真相をしっかりと最後まで視聴者に届けること。内容の薄い、新しいものだけを早く安く届けること、その繰り返しに対して恐らく思いを持ってこの世界に飛び込んだ人たちは相当な自己矛盾の時期を過ごしているのではないだろうか。

恐らく上司に、「いくら鮮度が落ちたといえども、社会的に考えたら重要な意味を持つ事件であるだけに、最後まで追い続け、世間に対して報道し続けるべきではないか?」などと押しかけても、「それでは会社の利益にならない。その取材を続ける経費は出せない」などと会社組織としての現実と、競争社会から抜け出すことができない現実を突き付けられ、次第にそのループに定着していくのではないだろうか。

いくら重要だと思っても、それに付きっ切りになることはできない。次から次へと起こる凶悪事件。世間の関心の高いほうへと人もエネルギーもシフトしていかねばならない。そうなるとどうしても「その後」を終えない。

「その後」

興味がある人が裁判などを追っていくしかなくなる。そうなるとほとんどの一般視聴者は事件があったことすら忘れられていく。本当に重要なのは、なぜその事件が起こってしまったのか、どうすれば防げたのかを理解すること。警察や行政だけでなく、一般の市民も次の犠牲者、次の加害者になるかもしれない現代。少しでも起こったことから教訓を学ぶこと。それが大切。

このような状況を考えると、ネットニュースのあり方としては、自分の興味を引くニュースがあれば、RSSとは違った形で、それを登録しておけば裁判の記録や、事件の背景を調べている記事などが定期的に更新されて調べられるようなメディアが表れていくのだろうと想像する。つまりは受動的にニュースを浴びるのではなく、あくまでも選択していくようなメディア時代。

人は忘れる。だからこそ、何を忘れるのかは自分で決めるべきであろう。

2014年2月5日水曜日

想定外に出合うこと

レンタカーを運転していると、CDなどを用意しているわけでもないので、必然的にラジオを流しながら運転する事になりがちである。

そんな状況の良いところを考える。現代社会に生きていると普段はテレビにしてもネットにしても、自分の好きなものだけを選んで録画し、録音し、見たり聞いたりしている。そうなるとどうしても自分の知っているものの中での選択になり、自分の好きなものだけに囲まれて生きる事になる。

テレビだって流しっぱなしのような見方が出来ればいいが、時間が無くて得るべき情報が明確であればあるほど、録画し広告は飛ばして見たりしてしまう。ネットにしても同じ行動様式となっている。

それに対してラジオは不確定そのもの。その地域ごとで受信しやすいラジオ局の運転している時間に流れている番組を聞き、流される自分のまったく知らない曲を聞く事になる。それはなかなかいいものである。

耳を傾けていたらなんとも印象的な曲が流れる。「これはいい」と思いながら、最後にアーティスト名と曲名を復唱するのを頭に入れて、信号待ちにアイフォンに記録する。

自分の好きなものだけを選んで生きがちになってしまう現代社会。こうして想定外に出合う時間を日常の中に持つのがある種の刺激であり、自分の成長にもつながるのだと再認識しながらハンドルを握りなおす。

2014年1月30日木曜日

「トリック新作スペシャル3」堤幸彦 2014 ★

シリーズの開始が今から14年前の2000年開始。そのシリーズがこの新春の映画とテレビでのスペシャルで完結する。そのテレビバージョン。

1999年に始まった「ケイゾク」などと共に、いわゆる深夜の面白いドラマとして大学時代に欠かさず見ていたのを思い出すが、それから14年。思い出として久々に見てみることにする。

その開始時には、いわゆるコント風のドラマをお金をかけて真剣に演じきる面白さと、意外性のある俳優が一風変わったキャラを演じて発する台詞など、微妙なギャップが新鮮だったのだろうが、今でも変わらず同じ演出が続けられているのに驚く。

欽ちゃん走りで消えていく飯島直子や、林先生の「今でしょ?」ばりの喋りをひたすら押してくる「あまちゃん」俳優・福士蒼汰。

そのミスマッチや、ギャップは14年前という時代において新鮮だったが、現代においてそれでもやられると、なんとも厳しい演出になってしまう。後追いの番組が多く誕生した後に、「普通じゃない衣装と話し方だけでは強烈なキャラの設定にはならない」と誰もが認識している中でこの登場人物では、表面的すぎの印象はいなめない。

少々前に見なおしたIWGPは今の時代になっても面白く見ることが出来るのは、やはりキャラがその背景までしっかりと作りこまれていたからだろうし、昨今のヒットドラマは全体を通してのテーマが深く、なおかつキャラ設定もしっかりしている。

プロットも誰でも展開が読める典型的なクローズド・サークル。それに14年前に奇抜だった演出をそのままのせて、どこで勝負するつもりなのかと思いながら結局最後まで見てしまう。

ドラマの世界での一つの時代の終わりを感じながら、画面を閉じる事にする。

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スタッフ
脚本 蒔田光治
演出 堤幸彦
主題歌 ティーナ・カリーナ 「いつかきっと」
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キャスト
山田奈緒子 仲間由紀恵
上田次郎 阿部寛
矢部謙三  生瀬勝久
山田里見 野際陽子
水神華絵 飯島直子
水神月子 藤田朋子
水神幸代 国生さゆり
水神明 福士蒼汰
藤崎千佳子 朝倉あき

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作品データ
製作年 2014年1月放送
製作 テレビ朝日
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