2013年6月11日火曜日

天津神社 (あまつじんじゃ) 1662 ★★★

一宮(いちのみや)とは、ある地域の中で最も社格の高いとされる神社のことであり、この場が長いことこの地域の重要な位置を占めていたというのが良く分かる厳かな境内の雰囲気を感じられる。

長くこの地域の産土神(うぶすながみ)として崇敬されたというが、周囲の立派に育った樹木や、拝殿の前に伸びる石舞台、それらは4月に行われるという地域最大のお祭り糸魚川けんか祭りのような「ハレ」の行いが、現代に至るまで長く歴史の中で同じようにこの境内を舞台として繰り広げられてきたのだろうと容易に想像がつく。

茅葺作りの拝殿は、1662年建築。桁行7間で平入りの入母屋造。
その奥に隠れるようにひっそり経つ本殿は1797年建築。桁行3間の切妻造銅板葺。
更に本殿と並列して建てられるのが奴奈川神社本殿で1798年建築。一間社 流造の銅板葺。

直線を折り曲げるような不思議なアクセスの最初に位置する一の鳥居を潜ると、左手の池の向こうに特徴的な茅葺の拝殿を眺めながら参道を進むことになる。池の中心に設けられた浮石には彫刻か?と思うくらい何匹もの立派な亀が日を浴びている。彫刻だろうと、近づくと気配を察した一匹が急いで水に飛び込む。

ちなみにこの石鳥居の横に位置するのが清崎神社。廃れてしまった緑に覆われる祠。神域に人の手が入らず荒れてしまった姿は、あちらの世界とこちらの世界の開いてはいけない扉があきっぱなしになってしまっている雰囲気。悪い気が流れてきてしまう様な、なんともいえない不安な気持ちに陥る。長くこの場にいてはいけないんだと警戒信号を感じ、そそくさと今来た鳥居を再度潜ることにする。

そんな訳で参道に戻り、まっすぐ進むと待ち受ける狛犬。能生白山神社でもそうだったが、この地域の狛犬はなんとも特徴的なデザインと顔をしていて、それだけでも楽しめる。

ジグザグな参道を左に折れて目に入ってくるのが広くとられた境内。ここから見て拝殿の手前には、最近まで何かの建物が建っていた痕跡があるので、この狛犬にはさまれた道から目に入ったのはまずは石舞台ということだろう。

これだけ豊かに残された自然に囲まれて、数百年この場で人々の栄枯盛衰を見続けてきたであろう拝殿や本殿。それを抱きかかえる境内の空間にたった一人で佇んでいると、今がどの時代に属していてもそれが対して大きな問題ではないんだと思えてくるから不思議である。

このような地域を見つめ、地域を守り、地域から愛され続けてきて、そしてこれからも変わることの無い一宮の空間が、この日本には多くあるんだということが、この国の風景の源だと改めて思わされることになる。

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所在地  新潟県糸魚川市一の宮
社格  越後国一宮
本殿の様式 三間社流造杮葺
創建   130年頃
機能   寺社
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