2015年12月29日火曜日

「ヒカルの碁」 ほったゆみ(原作) 小畑健(漫画) 1999 ★★★★

年老いた父親の現在の楽しみの一つが「碁」。昔からやっていたようであるが、定年退職後、かつての恩師のもとに同級生と通い、学生時代を思い出しながら月に数度「囲碁」を教えてもらってきている。

熱心に学ぶのはそこにとどまらず、地域の囲碁教室にも通うようになり、新しい友人も作りながら、非常に熱心に棋譜を眺める姿はなんとも微笑ましい。

「将棋も麻雀もやってきたが、やはり奥深さは囲碁が一番だ」となんとも楽しげに話す様子を見ていると、これだけ長い歴史の中で、特に高齢者が熱をあげるほど熱中できるのは、やはり何か深い理由があるのだろうと想像を膨らませる。

そして、何よりもこれほど熱中している父親に対して、いつか真剣に碁盤上で対決して、教えてもらえることが一番親孝行になるのではと思いつくが、さてどうやって学び始めようかと思い悩んでいる時に、「そういえば、囲碁を題材にした漫画がはやっていたな・・・」と思い浮かんだのがこの漫画。

早速手に入れて読んでみるが、なるほどなかなか興味深い。なにより、中国、韓国の若い棋士の台頭や、各国での棋院の普及の仕方など、これは実際北京の囲碁の大会なんかも覗きに入ってみても面白いかと思えるほど。

こうして漫画というわかりやすい形で、今まで馴染みのなかった分野に興味を持つということが起こるのは、すばらしき日本の文化の一つであろうと納得する。目標はなんとか今年のうちに、ハンデをもらいながらも勝負ができるようにとポケット版囲碁セットを購入するのを楽しみにすることにする。

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