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スタッフ
監督 山口雅俊
原作 真鍋昌平
脚本 国井桂
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丑嶋馨(カウカウファイナンス): 山田孝之
戌亥:綾野剛
柄崎(カウカウファイナンス):やべきょうすけ
高田(カウカウファイナンス):崎本大海
日雇い労働者(彩香のストーカー):柳楽優弥
藤枝彩香(高校中退のフリーター):門脇麦
愛沢浩司(愛沢連合ヘッド):中尾明慶
加賀マサル:菅田将暉
神咲麗(新人ホスト):窪田正孝
犀原茜(闇金融ライノー・ローンの女経営者):高橋メアリージュン
ユキミ(ホステス):本仮屋ユイカ
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漫画を見てても、あまり壮絶さにかなり鬱々とした気分になり、回復するのにしばらく時間を要する「闇金ウシジマくん」。かなりの誇張表現はありつつも、相当に緻密な調査を元にして、多くの部分は実際にあるであろう「人の弱さ」と「社会の闇」を描き出す。ダイレクトに人の欲望を映し出す「金」に溺れ、際限の無い自らの欲に踊らされ、身の丈に合わない額の「金」に手を出しそれによって得られるモノは人によって様々であるが、自分で稼げる額を遥かに超えた「借金」をするために最後にたどり着くのが闇金の世界。
光に誘われる蛍の様に、暗い世界で光輝く闇金に吸い寄せられるのは、表の社会では処理のできない様々な事情を抱えた人々。漫画をそのまま映像化するのではなく、「ヤンキーくん」編や「ホストくん」編など、いくつもの話をうまく重ね合わせながら同時進行させ、映画の尺にあったしっかりとした物語にまとめてあるのも好感が持てる。
漫画の世界より、やや毒抜きされているが、それでも少しでも楽をして生きたい、金を稼ぎたいという人の持つ欲望や、誰かを陥れても自分が稼げればいいという人間の存在。稼ぐ額と使う額、そして自分の欲望と適切に付き合いきれずに、借金を抱えどうにもならなくなっていく人とその周囲の人間の姿をナマナマしく描くこの作品は、社会の怖さ、金との付き合い方を学ぶ上でも中学高校くらいの学生に必須として読ませたほうがいいのではと思わずにいられない一作である。
山口雅俊
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