大相国寺の脇道を北上していくと前方にやたらと大きな鼓楼が見えてくる。周囲に建物がない為に視界が開けてどの方向からも随分とシンボリックな風景を作り出すこの開封の鼓楼は明代に建設されたもので、中国最古の鼓楼とされている。ということは、明以前の時代には鼓楼というもの自体が存在しなかったということになる。
ということはこの開封が最も栄えた北宋時代、つまり960年から1127年の間にはこの街に存在しなかったということになる。元々の昨日としては太鼓の音で時間を知らせたり敵襲の時に警報を鳴らしたりということなので、首都として君臨していた北宋時代には必要の無かったものなのだろうかと想像を膨らませる。
この開封鼓楼は周辺とともに、2013年に改修工事を施され随分ときれいになったとされているが、現存する鼓楼の中で比較的良い状態で保存されているのが北京、西安、南京の鼓楼だというが、北京のものも随分と手を入れられている気がするが・・・と余計な思いを巡らせてしまう。
さて、この開封鼓楼を有名にしているのはこの鼓楼の夜市。つまり屋台街の存在。どうやらこれは首都であった北宋時代からの名残のようであるが、様々な人と物が流れ込んだ当時の開封では、夜市が非常に盛んになり、現在もこの整備された鼓楼の周囲に様々な屋台が立ち並ぶということで、せっかくだからと夜ホテルにチェックインして、20時ごろから一人であちらこちらと屋台を冷やかしながら焼きイカやらなんやらとつまみながらかつての開封の夜市の風景に思いを馳せることにする。
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