2015年12月19日土曜日

八丁味噌の郷 ★★



妻がテレビで見て、一度見学に行ってみたいというものだから、遠江国からの帰り道、岡崎城のすぐ脇にある八丁味噌の郷の里へ立ち寄ることにする。

岡崎城から八町離れていたところの村が八丁村と呼ばれるようになり、この村で作られていた味噌が、八丁味噌として普及し、2006年のNHKの連続テレビ小説「純情きらり」が宮﨑あおい主演で、この八丁味噌の蔵元を舞台としたことから、全国的にも知られるようになったものである。地元では明治の中ごろから宮内庁御用達を拝命し、現在でも引き続いて皇室に納入しているブランド味噌として馴染みのある赤味噌である。

その蔵元が、工場の見学を無料で公開しているというので、浜松方面からの帰りがてら母と妻の三人で、近くで味噌煮込みうどんを味わった後に立ち寄ってみると、「ここにもインバウンドの波か・・・」と思うほど、駐車場には大型バスが数台停まっており、中からは大勢の中国人観光客の姿。

冷たい風が吹き付ける中、それぞれの作業場をめぐりながら、一部の蔵を改装して歴史展示を行っている場所でガイドの方の説明を受けたりしながら、「そういえば、小学生のときの社会見学で何度か来たな・・・」と、なんとも表現し得ない漂う味噌の匂いに誘われて、記憶の室から小さなころの風景が蘇る。

ついでに蘇ってきたのは、家の近所の友人も醤油と味噌の醸造元をしており、遊びに行くと土間に大きな木製の樽がいくつも並び、独特な匂いが鼻腔をついたなとふっと思い出す。こうした匂いがつなげる風景があることと、またその風景がある地域独特のものだということに改めて気がつきながら、最後に濃い目の味噌のスープを一口いただき、最後は味覚も刺激され、やはり土産にと味噌を数パック購入することにする。


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