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所在地 愛知県岡崎市
設計 吉村靖孝+吉村真代+吉村英孝/SUPER-OS
施工 小原建設
竣工 2005
機能 寺社
規模 平屋
構造 鉄骨造
敷地面積 1,8436㎡
建築面積 172㎡
延床面積 171㎡
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打ち合わせの合間に少し時間が出来たので、車を運転してくれているクライアントである同級生にお願いして、以前から見てみたかったこの寺院に向かうことにする。
設計はSUPER-OSという吉村靖孝+吉村真代+吉村英孝によるユニット。夫婦と兄弟というユニットという訳である。その後はそれぞれ吉村靖孝建築設計事務所と吉村英孝建築設計事務所、そして不動産を手がけるSTAYCATIONとして個別に活動をするようになっているようである。
何はともあれ、現代建築が非常に少ない地元の岡崎市。日本中の現代建築をマッピングしていると、やはり愛知には建築家による意欲的な建築作品が圧倒的に少ないことを知ることになる。これは保守的、閉鎖的と言われがちな県民性にも拠っているのだろうと創造する。
そんな中に隣の豊田市出身であり、様々なメディアでも活躍する若手建築家である吉村靖孝がかつて手がけた寺院があるというので、それは是非とも見てみたいと暫く思っていた。
市の北側、幹線道路から少し入ると袋小路になっている道の先に目的の寺院の入口がある。住宅地にある寺院と言うことで、それほど規模の大きな境内を持っている訳ではなく、敷地の中に住宅が併設されており、その先を曲がるとこの赤茶けたコールテン綱の段々の姿が見えてくる。
「これがお寺なんだ。面白いね」とつぶやくクライアントの言葉通り、建築畑で無い人にとっては、かなり衝撃を受ける建物であるだろう。その厚み6mmと言うコールテンの特徴を生かすべく、開口部などのディテールも全て「面」を意識する納まりになっており、想像していたよりもきっちり出来ている印象であった。
それを思わされるのはそれほど広くないアプローチの中で、いろいろと工夫を凝らされた足元のデザイン。素材を変え、色を変え、コンクリートのベンチを設置し、なんとか短い距離の中で「俗」から「聖」への気持ちの準備を成し遂げようとする想いが感じられる。
こうして少しずつでもこの街にこうした意欲的な建築が増えていくのに自分達も力になれることが、この街の風景を作っていくことになるのだろうと思いながら次の打ち合わせへと向かうことにする。
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