二つ目となるセブンシスターズは西側に流れるモスクワ川の近くで動物園を中心とした豊かな緑が広がるエリアに建つ、文化人アパート。ロシア外務省から北上して到着するこの文化人アパートまでにはアメリカ大使館があり、その前には大きな植栽用と思われるコンクリートのプランターが並べられている。
「かなりごっついもの作るんだな」と眺めていると、そういえば少し前まではバリバリの戦争状態にあった大国の首都。その憎き敵国であるアメリカの拠点であるこの地には、良からぬことを考えて突っ込んできたりする強硬派もいるだろうから、その防御の為でもあるのでは?と頭に浮かび、そんなことをオーストラリア人と話しながら先を進む。
この文化人アパート。先ほどのロシア外務省のように、上へ上へと細く伸びるゴシック刊は少々弱まり、なんともボックス感が強い気がするがその前方に公園が整備されており、かなり引いたところから建物を眺めることができるようになっている。
設計は建築家のパソーヒンとムンダヤンツで、高さは156mと言われている。その名の通り、かつては文化人と呼ばれる人たちが住んでいたという。今では文化人と聞くとかなり怪しい感じがするが、第二次大戦後のソビエトの文化人と言えば、さぞや華々しい面々が住んでいたに違いないと想像しながら建物を見上げる。
そして次に向かうのは、事務所のロシア人スタッフが進めてくれたモスクワ・プラネタリウム(Moscow planetarium)。なんでも最近リノベーションを施され、かなり綺麗になった観光名所であるという。
しかし残念ながら本日は休館のようで、銃を携えた警備員に「明日は開いているか?」と英語で尋ねるが、全く理解されず断念して先を進む。
次に寄ったのは、モスクワ動物園(Moscow Zoo)。1864年に開業したロシア最古の動物園であり、入り口からも内部の豊かな緑が見て取れる。オーストラリア人がまったく興味を示さないので、動物園好きとしては後ろ髪をひかれる思いをしながら、中に入ることは諦めて入口向かいにある地下鉄の駅へと向かう。
モスクワの地下鉄でも古い時代に整備された数本のラインは見事な装飾を施され、各駅ごとに特徴のある雰囲気を醸し出している。一日の乗降者数が世界有数で、電車を降りてからエレベーターにたどり着くまではかなり時間を要するが、その時間にふと上を向くと、博物館張りに豪華な装飾と照明を持った駅のインテリアを眺めると少しは気分も張れるものであろう。
そんな素晴らしい駅舎の中でも有名なのがこのMetro クラスノプレスネンスカヤ。昨日乗り換えで立ち寄った駅であるが、こうして目的を持ってくるとやっと場所感覚が得られるために、電車には乗らないが内部を見学するために中に入っていき、ピークを過ぎてまばらになった人の中で内部の写真を収めることにする。
東京でこんな風に地下鉄の駅で写真を撮っていたらさぞや嫌な顔をする人も多いのではと思いながらエレベーターで再度地上に上がってくると、壁に貼られているポスターの中にX JapanのYoshikiのコンサートのものを見つける。こんなところでも根強い人気を博しているとはと驚きながら次のシスターを目指して南に向かうことにする。
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