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所在地 ヴェネツィア(Venezia)
機能 広場
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走り出して約1時間。やっと到着したのがベニスの中心であるサン・マルコ広場(Piazza San Marco) 。世界で最も美しい広場の一つに数えられ、一年を通して多くの観光客の姿で賑わうまさに広場である。
イタリア語で広場を現すと、先ほどまで通ってきた幾つかの広場同様カンポ(campo)と呼ばれるものが普通であるが、こちらはピアッツァ(piazza)と呼ばれ、イタリアでも極めて規模の大きな重要な都市広場のみに使われる呼び名だという。
このサン・マルコ広場。その広場の名前である、サン・マルコであるが、もちろんそれは正面に鎮座するサン・マルコ寺院から来ており、それはつまりヴェネツィアの守護聖人である福音記者マルコに由来するものである。
海洋国家であったかつてのヴェネツィア共和国の中心としてだけではなく、海に面した玄関口としても都市の中で機能を果たしていた。ちょっといびつな形をしたL字の広場は小さい方の広場が海に接する形なり、その玄関口を示すかのように、そこには2本の高い柱が建てられている。
この2本の柱の兆部にはそれぞれサン・マルコのライオンの彫像と、聖テオドーロの彫像が設置されている。かつてはこの2本の柱の間で死刑執行が行われたといい、今でもベニス育ちのイタリア人はこの柱の間を通らないと言われているという。
何度そこに足を踏み入れても、活気が溢れ、朝から晩までまったく違う表情を見せてくれながら、なんとも美しい都市空間の在り方を見せてくれる場所である。広場の多くは回廊で囲われ、夏でも建物の下に深い影の空間を作り出し、人々が快適に広場周辺を回遊することができる。
この広場にはベニスの重要な建物がほとんど面しており、正面に象徴となるサン・マルコ寺院(Basilica di San Marco)、その海側に美しいヴェネツィアン・ゴシックの傑作であるドゥカーレ宮殿(Plazzo Ducale)。その前には高さ約100mで街で一番高い建物である、サン・マルコ広場の鐘楼(Campanile di San Marco)。サン・マルコ寺院と向かい合わせで建つのが、スカルパが改修を手がけたコッレール美術館(Museo Civico Correr)。
これだけの建物を見学して回るだけでも一日はかかるような見事な建築博物館の様相。個別の建物はまた別に記すとして、今回は街のどこからでもこの広場がどこにあるのかを分からせてくれるその鐘楼(Campanile di San Marco)について。
街を歩いていると、定期的にこの鐘楼に備えられた5つの鐘が時間を知らせる音を体験することになる。都市の中に都市の音がある風景。もともとは海に面しての見張り台として計画されたというが、今ではすっかり運河の街・ベニスのアイコンとなり、世界中でその模倣品を見かけることができる。
他のヨーロッパの都市の鐘楼の様に、えっちらおっちらと階段であがっていかなければいけないものとは違い、地上からはエレベーターであっさりと登ることができる。ただし昼間はかなりの行列となっているため、時間をずらしての見学が必要となる。上からは赤で統一された屋根の連なる景色の先に開けたアドリア海を眺めることができるが、前回の訪問で上っているので今回はパスすることにする。
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次の日の夕方に再度広場を訪れて、今度はサン・マルコ寺院の裏に回っていき、8年間に自分達でスペースを借りてビエンナーレ期間に展覧会を行った会場を見に行く。もちろんなのだが、あの時と変わらぬ形でそこにある会場を見つけ、過ぎた時間に思いを馳せる。
二日目の朝
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三日目の夜
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