--------------------------------------------------------
所在地 ヴェネツィア(Venezia)
設計 カルロ・スカルパ
竣工 1968-70
機能 彫刻
--------------------------------------------------------
昼前にアーセナーレの正門で集合し、昨日よりも展示の進んだメイン会場を通り抜け、まだ臨時で走っている船によって向こう岸の展示会場へと渡り、展示作品の模型を最終チェックし、プレス用の写真を撮影する。
その後アーセナーレともう一つのメイン会場であり、各国家のパヴィリオンが立ち並ぶジャルディーニ会場へ船で向かう。到着するのは通常の水上タクシーのジャルディーニの駅。そのすぐ左手に海の中からいくつもの石のボックスが立ち上がっているのが見えてくる。明らかなデザイン性からこれもまたスカルパの作品だと見て取れる。
近くまで行って写真におさめるが、アウグスト・ムレール(Augusto Murer)というイタリアの彫刻家の作品であるレジスタンスの女性像を囲うようにして、スカルパの設計したブロック状に高さを変えて水面と呼応する広場のような空間が広がっている。
この彫像をどのように設置するかの依頼に対し、スカルパの取ったアプローチは水面に浮いたデックを作り出し、そのデックを小さなボックスに分解し水面を拡張するかのように高さを変えることによって、彫像に向かう多様な視点を作り出すとともに、彫像を海の波から守る役割も与えるというものらしい。
ジャン・ティンゲリーの動く彫刻が街の至る所で時間と空間を刻んでいるスイスのバーゼルの様に、こうしてこのベニスも都市の至る所にこの様に風景の一部として溶け込みながら良質の時間を刻む建築家の作品があることが、どれだけ豊かさことかを教えてくれているようである。
0 件のコメント:
コメントを投稿