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所在地 ヴェネツィア(Venezia)
設計 バルダッサーレ・ロンゲーナ(Baldassarre Longhena)
竣工 1710
機能 住宅、美術館宅
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カ・ドーロ(Ca' d'Oro)の向かいの少し駅側に進んだところにあるのが、このカ・ペーザロ(Ca' Pesaro)。同じく「カ」がついて、かつての貴族の邸宅であることが分かる。現在はチヴィチ博物館と呼ばれ、国際現代美術館として利用されているという。
ベニスの重要な教会であるサンタ・マリア・デッラ・サルーテ聖堂の設計者としても知られるバルダッサーレ・ロンゲーナ(Baldassarre Longhena)という17世紀にベニスで活躍したバロック建築の第一人者によって設計をされ、カナル・グランデに面する建物正面は後にアントニオ・ガスパーリ(Gian Antonio Gaspari)の手によって1710年に完成させられたという。
設計はバロック様式を採用され、特に特徴的なのは1階部分の外壁に、ゴツゴツした岩の素材を使用して壁面に明暗を表現をしている。ゴシック、ルネサンス、バロックと続くヨーロッパの建築様式の変遷は、どうしてもその前の時代の様式に対する反運動でもありながら、それでもどこかで流れは受けているということで、バロック様式もその前のルネサンス様式との明確な違いが現れるまでにはどうしても微妙な違いでしかなく、建築を業としていても、この様式がどちらに属するのかをはっきりと示すのはやはり難しくなってしまう。
アジアから来るとどうしても美しい中世の都市としての風景を残すベニスとして括ってしまいがちになるが、もちろんその中には何百年という隔たりを持って設計された建物たちが渾然一体となって存在していることを改めて感じながら、その背景まで視線を届けながら観察していかないと、大きな間違いを犯すことになりそうだと次の目的地へと向かうことにする。
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