--------------------------------------------------------
所在地 ヴェネツィア(Venezia)
設計 ジョヴァンニ・ボン バルトロメオ・ボン
竣工 1430
機能 住宅、美術館
--------------------------------------------------------
西に向かって旅をすることのよい事の一つに、時差の為に朝早く目覚めてしまうこと。展覧会に向けてのやり取りSNSで行われていることもあり、どうやら皆朝の6時には目覚めてしまっているのが見て取れる。
折角の朝の時間なので、持ってきていたランニング・シューズを引っ張り出し、朝食前にこの迷宮の様な街に繰り出し、村上春樹ばりにとはいかないまでも、ランニングがてら見たかった建物を探索してくることにする。
ベニスのカナル・グランデを水上バスで進んでいくと見えてくる数々の華麗な邸宅。その中でも一番壮麗な姿としてこの街を訪れる人々の記憶に残っているであろう館がリアルト橋の手前に位置しているカ・ドーロ(Ca' d'Oro)。
ホテルから比較的近いこともあり、ここがランニングの第一立ち寄り場所となる。
ベニスに残る貴族の邸宅のなかでも最も古いものの一つとされ、かつては運河に面した外壁に金の装飾が施されていた為に、「黄金の館」という意味のカ・ドーロ(Ca' d'Oro)という名前が付けられているという。因みにこのカ(Ca')は「館」という意味のイタリア語。
建築はジョヴァンニ・ボンと彼の子バルトロメオ・ボンによって1428年から1430年にかけ完成された。ヴェネツィアン・ゴシックと呼ばれるベニスで発展した独特のゴシック様式を駆使したそのファサードは世界でも最も美しいゴシック建築の一つとして知られている。因みに設計者の親子はサン・マルコ広場に面するドゥカーレ宮殿の設計も担当した、この街のゴシック建築の生みの親でもある。
運河に面した壁面は花模様を用いたゴシック様式。近くには同様の様式でよく似たバルバーロ館とジュスティニアン館があるので、水上バスで移動していると少々混乱しそうになる。現在はこの館の修復と保存に尽力した貴族のジョルジョ・フランケッティの名をとったフランケッティ美術館として一般に公開されている。
朝早い時間の為、街にはほとんど人影が見えず、まさに迷路の様な狭い路地に自らの足音を反響させながら次の目的地へと足を進めることにする。
0 件のコメント:
コメントを投稿