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所在地 埼玉県本庄市児玉町金屋
設計 前川建築設計事務所
施工 大成建設
竣工 1995
機能 公民館
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サービス精神の無い地方公共団体の運営のせいで、思わぬ形で旅程を早めなければいけなくなり、狭い県道をできるだけ飛ばしていると、前方右手に新興宗教の建物か、それともヴァレリオ・オルジャティ(Valerio Olgiati)かと思うような強烈な造形が迫ってくる。これぞ関東平野と言わんばかりののっぺりとした風景の中、天を切り裂かんとばかりのその尖り方。そして新興宗教と間違えても可笑しくないほどの外れたスケール感。
「こんな時に一体なんていう建築に遭遇するんだ・・・」
と地団駄を踏みながら、信号停止の瞬間に建物の概要を調べる。と、それが本庄市の中央公民館だということが発覚。それならば恐らくたいしたことは無いだろうと素通りすることを決めるが、横を過ぎるときに、近代建築が持っていた造形への疑いの無い信頼と、それを現代においてやりきる度量が感じられ、丹下時代の建物のようななんとも言えぬ魅力に後ろ髪を引かれて、急遽信号を右折して駐車場に車を滑り込ませることにする。
「3分だけ・・・」
と自分に言い聞かせ、近づくと更にそのスケールに圧倒されそうになりながら、潔い三角形の片流れ屋根と「孔」として穿かれた開口部になんとも間違いない近代の時代の匂いを感じ取り、「中に入ったらいかん・・・」と自分を抑えながら車に戻る。
家に戻った後に分かったことだが、これが前川建築設計事務所の作品だと知り、その強烈な匂いはイズムと共に、時代を超えてしっかりと受け継がれているのだとなんだか嬉しく思う。
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二十世紀景観賞 特別賞
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