2013年2月11日月曜日

百体観音成身院 真言宗 さざえ堂 1783 ★★


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所在地  埼玉県本庄市児玉町小平661−2
宗派   真言宗
創建   1783
再建   1910
機能   寺社
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さざえ堂といえば、福島県会津若松市のものばかりと思ってしまっていたが、実はそれはある寺院一つを指すものではなく、江戸時代に関東広域で作られたある形式の寺院の総称であり、現存するもので特に名前があがるものとして会津若松、群馬県太田、そしてこの埼玉県本庄のものが挙げられるらしい。

そもそも「さざえ堂」とは、お堂に入るとぐるりと右回りに各地の寺の観音像拝みながら一方通行で進み、急な階段を上がって2階にあがって、再度ぐるりと右回りとしてまた観音像を拝みながら進んで、またまた急な階段で3階に上がっていくうちに、1階で34体、2階で33体、3階で33体と計100体の観音様を巡って、それが百霊場めぐりと同じご利益があるという大変お得な構造になっているものをいうらしい。

そんな訳で、らせん状になっているので、ぐるりと上がって、来た道と交差することなくぐるりと降りて、結局は入り口に戻ってこれてしまうという、まぁ不思議なお堂になっている。

社務所の前に「参拝希望者は300円を払って下さい」なんていう看板があるので、あたりをキョロキョロしていたら、参拝を終えたおじさんが、「お堂の中に女の人がいるので、その人に渡すみたいですよ」と教えてくれるので、早速お堂に。

外から見ると普通の2層建てのお堂に見えるが、その前に掲げられている鐘とその破風周りに施されている立派な彫刻を眺めて脇にある入り口へ。丁度一組の案内を終えたっぽいお寺関係者の女性がいたので300円を払うと、「今から一組案内するので、ちょっと仏像でも見て待っていてください」と言われる。

「建築をやっているのだが、内部の写真は撮ってもいいですか?」と尋ねると、「仏像を撮らなければ大丈夫です。」とのことで、一人で不思議な構造を歩きながら、なかなか写真にはおさめにくい空間を体験し、細い通路と相当な急勾配の階段がこの構造を成り立たせているのかと妙に納得して上に。3階より見える外の風景を眺めて、またぐるりを下に下りてくると、先ほどのお客を案内し終えた女性が、「あれ、もう見終わってしまいましたか?」と、再度簡単に案内をしてくれる。

そこで、上記の「さざえ堂」の構造や、他に残っている「さざえ堂」について、そしてこの寺の成り立ちとして江戸時代に浅間山噴火犠牲者の供養のために建立され、明治43年に再建されたなどを教えてくれる。近くに工場が建つときに調べた地質調査によると、ここは日本でも一番地盤が強い場所に建っているお寺になるという。

建築をやっているということで、それならばと表の破風に施された特徴深い彫刻について説明してくれる。なんでも、日光東照宮を手がけた職人グループの子孫達が手がけたらしく、このようなもので残っているのは妙義神社と東照宮だと教えてくれる。

これはいい機会だということで、「こういう寺院に関しては、その場所の人で無いとなかなか古刹がどこだとか分からないので、折角なのでこの近くで見ておいた方が良いという古刹はありますか?」と聞いてみると、「うーん」といいながら、「しょうてんさんは行きました?」と教えてくれる。なんでも「聖天山」というらしく、同じく住職が相当彫刻の保存に力を入れており、最近その努力が実って国宝に指定されたお寺という。「17号を熊谷の方に向かって大田に上がっていってもらえればすぐですよ」などと、完全に地元扱いをされるが、そこまで言われるならこれは見逃すことはできないと、予定の変更を頭の中で計算しはじめる。

お堂の脇に弘法大師の像があり、「あ、天台宗のお寺なんですね」とうっかり間違えたら、すぐに「いえ、真言宗です」と直されてしまい、とても恥ずかしい思いで「では、聖天さんに行って見ます」とさざえ堂を後にする。















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