前作よりも圧倒的に洗練された様子の映像。そして恐らく同時期に制作されていたと思われる、「東京スキャナー」との類似点。恐らく作者の中には、「機械を通してみたこの世界」という、今まで誰も作りえなかった映像の姿が、明確に頭の中に描けているのだろうと想像する。
開くまでも世界観は香港をベースとしたミックスされたアジア。辛うじて物語から彼らが属するのは日本という国だと分かる程度で、映像からいわゆる「日本らしさ」という風景は一つも見えてこない。
アンドロイドによって引き起こされる持ち主の殺人事件。少佐が消えてから、喪失感を抱えるバトーを主人公にして物語りは進み、しっかりと前作で敷かれた伏線がここでも意味を持って登場する。
一体何処まで構想して作品を作り始め、どこまでも一作目で切り取るかと決断したのだろうと、その勇気に想いを馳せながら、再度、ここまでの世界観を成立させる細部とプロットへの作りこみに、作者の非常なる想像力に圧倒される一作。
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スタッフ
監督 押井守
原作 士郎正宗
脚本 押井守
キャスト
大塚明夫
山寺宏一
田中敦子
大木民夫
仲野裕
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作品データ
製作年 2004年
製作国 日本
配給 東宝
上映時間 99分
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