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所在地 東京都中央区銀座
設計 青木淳
竣工 2013
機能 店舗改装
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いくら先行きが怪しくなったといえども、それでも中国人の爆買いの勢いは衰えを見せず、朝早くというのにこの街には見たところ中国人だという団体客で溢れている。そんな人の流れの向かう一つの先がこの建物。
「そういえば、いつの間にかリニューアルされていたな・・・」
と思い立ち、せっかくだからと見にいってみることに。デザインは元々の店舗を手がけた青木淳。2000年に設計された最初の店舗は二次元の店舗ファサードに何とも不思議な三次元の奥行きを持った魅力的なデザインでその後の銀座での有名建築家による有名ブランドのファサード・デザイン合戦の口火を切ったものである。
ネットで見ると、「なんだか元々の方が良かったのでは?」と思ってしまったが、判断は実際に見てからということで、元々は下層部のみで建物の角を覆うファサードだったのに対して、今度は8階建てのまるで独立した一つの建物の様な高さのあるファサードへと大きく変化した。
その横にあるティファニーやItoyaと比較しても、まさに銀座でのペンシルビルと言って過言で無いポロポーション。しかしそれはあくまでも松屋の一部分。なんだかこの時点でどうにも腑に落ちない感はたっぷりだが、そこには世界的ブランドの何かしらの事情があるのだろうと想像する。
デザインとしてはルイ・ヴィトンの代表的なパターンであるという「ダミエ・パターン」をスケールを変え、また三次元的なやわらかさを持った金属パネルにて表現しているという。これならば同じ銀座にあり、2004年に人工大理石にガラスを埋め込んで、同じ「ダミエ・パターン」をよりシンプルにファサードに採用した「ルイ・ヴィトン銀座並木通り店」の方が個人的にはよっぽど良かったのではと思いながら、中に吸い込まれている買い物客にの中のどれだけの人が、この店舗のファサードを記憶に留めて帰っていくのだろうかと想像すると、経済に翻弄される建築の悲しさを思わずにいられない。
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