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スタッフ
監督 河瀬直美
脚本 河瀬直美
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キャスト
田原孝三:國村隼
みちる:尾野真千子
幸子:和泉幸子
栄介:柴田浩太郎
泰代:神村泰代
みちる(幼少期):山口沙也加
栄介(幼少期):向平和文
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フランスの映画祭、カンヌ国際映画祭でグランプリを獲得するなど、海外にてその評価が非常に高い河瀬直美。1969年生まれでまだ若く、かつ女性ということもあり、現在の映画界の中でも非常に特殊なポジションを得ている。
そんな彼女が世間から注目を浴びるきっかけとなったのが、1997年の第50回カンヌ国際映画祭で「カメラ・ドール」とよばれる新人監督賞をこの「萌の朱雀」にて獲得したこと。
その後2007年に「殯の森」にて第60回カンヌ国際映画祭グランプリを受賞するなど、確実にキャリアを伸ばしている映画監督であるが、やはりフランスの映画界で評価されていることもあり、なかなか日本での興行的にはそれほどヒットという感じではないようであるが、一部の映画ファンからは好評を得ているようである。
1992年 につつまれて
1993年 白い月
1994年 かたつもり
1995年 天、見たけ
1996年 陽は傾ぶき
1997年 萌の朱雀 第50回カンヌ国際映画祭 カメラ・ドール(新人監督賞)
1997年 杣人物語
1999年 万華鏡
2000年 火垂
2001年 きゃからばあ
2002年 追臆のダンス
2003年 沙羅双樹
2004年 影-Shadow
2006年 垂乳女〜TARACHIME〜
2007年 殯の森 第60回カンヌ国際映画祭グランプリ受賞
2008年 七夜待
2009年 狛-Koma
2010年 美しき日本・奈良 (日本アーカイブス)
2010年 玄牝 -げんぴん-
2011年 朱花の月
2012年 塵
2014年 2つ目の窓 第12回ウラジオストク国際映画祭グランプリ受賞
2015年 あん 第68回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門オープニング作品
劇中に描かれる監督の出身地でもある奈良の美しい風景。「なんだか少々見覚えがあるな・・・」と思って調べてみると、やはり奈良の西吉野周辺で撮影が行われたという。丹生川上神社中社を訪れた際に通った緑深い山の風景。その所々で現れる小さな集落の美しさ。その記憶をまざまざと蘇らせてくれる映像である。
もう一つ印象的なのは撮影の行われた奈良県吉野郡西吉野村出身で、当時地元中学校で靴箱の掃除をしている際に監督の河瀬直美の目にとまり、急遽主役として映画デビューすることになったみちる役の尾野真千子の美しさ。素朴でいながら、明らかに眼に留まるその素の美しさ。現在までのその後の活躍が裏付けるように、監督の目の付け所の正しさを物語っているようである。
映像として非常に美しく、見慣れたテンポの良い映画ではなく、映画ならでもゆったりとしたリズムを描き出し、物語自体は決して派手なドラマは起こらないが、しっかりとその地に生きる人々にとって一生に一度か二度ある大きな転機に際して、人々がどのように応じ、変化していくかを淡々と描き出す。そんな監督の手法がストレートに表現されている良作である。
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