2013年3月17日日曜日

「時をかける少女」細田守 2006 ★★★



「タイム・トラベル」と言えば、ミステリーかSFというのが王道だと思っていたら、そこにまさかの「恋愛」と「青春」を絡ませるところは流石の筒井康隆というとこか。

「もし、過去に戻れたら・・・」

という質問に対して、様々な立場の人が様々な思惑を持ってその恩恵を受け取るというのを非常によく描き出したのが「リピート」 を経験した後では、どうしても誰もが打算的な動きをするものだと思いがちだったが、毎日そこそこに楽しい青春真っ只中の悩みも可愛いらしい程度の高校生が過去に戻れるとなったら、こんなに話が変わるのかと非常に納得してしまう。

「妹に食べられてしまった、取っておいてプリンが食べたい。」
「仲いい友達が急に切り出した告白を聞かなかったことにしたい。」

なんて、とても単純な目的になんだかほのぼのさせられる。

と、同時に、「好き」とか「付き合いたい」とかが毎日のすべてであり、副次的に「部活」とか「勉強」が彩りを加える高校時代の時間の過ごし方が、とても自然に描かれて、それがとっても懐かしく感じられるシーンばかり。

テレビやドラマで何度も実写化されてきた原作の持つ魅力が、アニメという世界で細田守という才能によって映像化され、新たなる世界観が足されたような一本。「サマーウォーズ」につながる様な、「時間」の描き方が覗き見れるような一作である。


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監督 細田守
原作 筒井康隆

キャスト
仲里依紗 紺野真琴
石田卓也 間宮千昭
板倉光隆 津田功介
原沙知絵 芳山和子
谷村美月 藤谷果穂
垣内彩未 早川友梨
関戸優希 紺野美雪
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