2017年6月22日木曜日

ハムステッド・ヒース(Hampstead Heath) ★★★



友人夫婦に勧められ折角だからと足を伸ばすことにしたロンドン北部に位置する高級住宅地ハムステッド(Hampstead) 。公園の多いロンドンでも最大の大きなを持つハムステッド・ヒース(Hampstead Heath) を中心とした緑に囲まれた人気の高い住宅地である。

ヒース(Heath) という単語はなかなか聞かないが、原野や荒れ地という意味で、古くから貴族の荘園であったという広大な草木に覆われた土地が、行政などの手を経て開発の手が入らずに現在に至るというのもまた、自然を大切にするこの国のなせる業であり、これが日本や中国なら一体どれだけ小さな緑地へと姿を変えてしまっていたかと想像しながら、最寄り駅に到着。

徒歩で歩くこと10分ほど。びっくりするほどの巨木が立ち並ぶ公園の入り口が見えてくる。ロンドンでも古くから遊泳池として市民に開放されていた有名な3つの池の脇を通り、目指すはロンドンでもっとも標高が高いといわれる、ハムステッド・ヒースの丘。

緑の丘に、足で踏みしめられた道が気持ちよく伸びていき、その先に待つのがパーリアメントヒル展望台(Parliament Hill Viewpoint)。ロンドン市内方向に向けて、程よい距離感を保ちながら設置されている木製のベンチ。様々な人々がいろんな風景を指差しながら、吹き抜けていく心地よい風を楽しんでいる。

ガーキンビルやシャードなど、この数年ですっかり様変わりしたロンドンのスカイラインもまだまだ変わるのだろうと思うと、またいつかここに戻ってこないとと思いながら、次の人の為にとベンチを離れ、今度は北側に向けて緩やかに傾斜する丘に広がる柔らかい緑の絨毯に腰を下ろし、しばしのんびりとした時間を楽しむことに。

しばらく過ごした後は、街の中心に位置するハイストリートに向かって足を向けるのだが、その途中に見ることができる数々の住宅建築もまた、ロンドンにとって重要な意味を持つ「郊外」を構成してきたこのハムステッドの歴史の一部である。

街の中心部に到着すると、駅を中心にして二本の目抜き通りが交差し、その通り沿いに生活にとって必要十分な店が立ちならび、過剰に開発されず、しっかりと芯の通った街であるという雰囲気に強い好感を感じられる。

ハムステッドの代名詞ともなっている駅前の老舗クレープ屋には、若い女の子の列が並び、折角だからと妻と2人で一ついただきながら、地元の人で賑わうカフェや、路地の奥に位置するアンティーク・ショップなどを冷やかしながら散策を楽しむこととする。






















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