2017年6月18日日曜日

ニューポート・ストリート・ギャラリー(Newport Street Gallery) カルソ・セント・ジョン(Caruso St John Architects) 2015 ★★★


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90年代にヤング・ブリティッシュ・アーティスト(YBAs)の筆頭として一躍時の人となったイギリスの現代美術家、ダミアン・ハースト(Damien Hirst)。

サメを丸々一匹ぶつ切りにしてホルマリン漬けにした作品などで知られる彼が長くスタジオとして利用していたテムズ川の南に、彼の作品を展示するのではなく、彼のアートコレクションを展示するギャラリーとして2015年にオープンしたのがこのニューポート・ストリート・ギャラリー(Newport Street Gallery) 。設計をしたのはカルソ・セント・ジョン(Caruso St John Architects)。ちなみにこのニューポート・ストリート・ギャラリーは2016年のスターリング賞(RIBA Stirling Prize)を受賞している。

ここもまたアドミッション・フリーなのがさすがイギリスだと思うところであるが、行われていたのはバルバドス出身のアーティスト、アシュリー・ビッカートン(Ashley Bickerton)の展覧会。


アート関係の建築を多く手がける設計事務所だけに、非常にシンプルであるが、展示空間としてしっかり機能しつつ、階段周りのディテールや天窓もしっかりとデザインがされており、スターリング賞受賞というのも納得させられる。

このギャラリーが面白いのはその展示だけでなく、ダミアン・ハーストによる「薬」をテーマにしたレストランがあること。立ち寄ってみると、壁紙も近寄ってみればすべてカプセルの表示でなりたっており、椅子やランプもビーカーが使われていたりと徹底して薬をモチーフにした空間となっている。ハーストらしい、社会に対してのブラックなメッセージが底辺にあるのだろうが、それでもなんとも発見に満ち溢れたワクワクした空間となっている。

ギャラリーをでて道沿いに少しいくとショップが併設されており、展覧会やダミアン・ハーストのグッズなどを購入することができる。スタッフに話を聞くと、この場所がハーストのキャリアにとってどんな意味を持っていたのかなど、なかなか詳しく話をしてくれるのもまた魅力的。

こうして周縁部に広がる都市としての魅力に、じっとりとロンドンの文化の力を感じながらホテルへと帰路に着く。


















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