2013年10月9日水曜日

展覧会 「六本木クロッシング2013展:アウト・オブ・ダウト 」 森美術館 2013 ★

3年に一度、日本のアートシーンを総覧目的で開催される「六本木クロッシング」も既に4回目。前回も足を運んだと思うが、既に3年の月日が過ぎたことに改めて驚かされる。前回同様、妻と一緒に懐かしい六本木周辺の雰囲気を楽しみながら美術館へと向かう事にする。

日本のアート業界で評価されている、もしくはこれから出てくるであろうアーティストの作品を一堂に見ることが出来る言わばアートのショーケース。

震災後の世界で活躍する現代を生きるアーティストが一体何を見据えて、どんな事を考え、何を表現しているのか興味を持って足を運ぶ。

参加アーティストの年齢層が一気に下がった感のある今回の展覧会。そのほとんどが70年代、80年代生まれのアーティスト。そして日本以外で生まれ、日本以外に居を構えているアーティストの多さも目立ち、ガラパゴスにもグローバル化の波が間違いなく押し寄せている事の証拠であろうと想像する。

そんな新しい世代に光を当てようとする意図は見て取れるが、それでもその中に半世紀近いギャップを埋め込むように入れ込まれた往年の作家。赤瀬川原平中村宏といったアーティストの作品が圧倒的に力とパワーを持って見えてしまう。

それを時代と呼べばいいのかどうかは分からないが、何か面白いことが起こっている、新しいものが出てきているいう思いは得られなかった。それはきっと、先日GA Documentの撮影で編集長の二川さんがおっしゃっていた事、「ゲーリーやザハは、雨が漏ろうとも誰が批判しようとも、30年前からまったく新しい建築を作り始め、それをひたすら続けてきた。同じようなまったく新しい価値観は今の世界どこにも見当たらない」に繋がる事なのだと考える。

建築とアート。分野は違えど、バージョンアップではなく、新しいスタンダード、新しい価値を生み出す概念を、我々の世代がどう見つけていくのか、それが問われている時代なのだと改めて実感する。

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出展アーティスト 

赤瀬川原平(1937年神奈川生まれ、東京在住)
アキラ・アキラ(1981年兵庫生まれ、オーストラリア在住)
新井 卓(1978年神奈川生まれ、在住)
荒川 医&南川史門(1977年福島生まれ、アメリカ在住 [荒川]/1972年東京生まれ、在住 [南川])
朝海陽子(1974年東京生まれ、在住)
千葉正也(1980年秋田生まれ、神奈川在住)
遠藤一郎(1979年静岡生まれ、「未来へ号」にて生活)
サイモン・フジワラ(1982年イギリス生まれ、ドイツ在住)
岩田草平×プロマイノリティ(1979年和歌山生まれ、東京在住 [岩田]/2012年結成、東京およびインドの西ベンガルを拠点に活動 [プロマイノリティ])
泉 太郎(1976年奈良生まれ、東京在住)
金氏徹平(1978年京都生まれ、在住)
風間サチコ(1972年東京生まれ、在住)
小林史子(1977年東京生まれ、在住)
小泉明郎(1976年群馬生まれ、神奈川在住)
満田晴穂(1980年鳥取生まれ、東京在住)
森 千裕(1978年大阪生まれ、東京在住)
中平卓馬(1938年東京生まれ、神奈川在住)
中村 宏(1932年静岡生まれ、東京在住)
中村裕太(1983年東京生まれ、京都在住)
丹羽良徳(1982年愛知生まれ、東京在住)
奥村雄樹(1978年青森生まれ、ベルギー在住)
プロジェクトFUKUSHIMA!(2011年結成、福島を拠点に活動)
流井幸治(1976年京都生まれ、オーストラリア在住)
笹本 晃(1980年神奈川生まれ、アメリカ在住)
下道基行(1978年岡山生まれ、愛知在住)
菅 木志雄(1944年岩手生まれ、静岡在住)
田島美加(1975年アメリカ生まれ、在住)
高坂正人(1977年オーストラリア生まれ、在住)
柳 幸典(1959年福岡生まれ、広島在住)
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