年末に購入したIPadの有効利用のためにと、ジムでのランニング時を使って、中国版YouTubeである优酷であれこれ映画を探してみる。そんな訳で、数日間で見終えた一作。
乾くるみの「リピート」を思い出さずにいられなくなるタイム・トラベル系の内容。村上龍の傑作「五分後の世界」の様な完全に平行して存在していくパラレル・ワールドではなく、あくまでも一本の時間軸をベースとした世界の中で、その時間軸を移動しながら徐々にパラレル・ワールドへと偏差していくという感じ。
想像力豊かな小説家、映画監督によって様々な未来の姿が描かれてきたが、「こんな考え方があったか!」と衝撃を持って迎えられる作品が徐々に減ってきたフラットなグローバル社会のなか、久々に現れた衝撃作。
タイム・トラベルとして、物理的な存在の身体を送り込むのではなく、ソース・コードとして限られた時間だけ過去に挿入される神経。その論理的背景や技術的裏づけ。何よりもソース・コードとして送られる人物が、どのような状態の人物であるかという極めて現実的な描写。
「リピート」の様に、何度も何度も、求める結果が得られるまでは繰り返し過去へと送られる。そのクローズド・サークル。そのクローズド・サークルが壊れた瞬間に立ち上がるパラレル・ワールド。あったことが無かったこととして成立するその世界のなかで、タイム・トラベラーは生きていくこと。その成立条件。最後の最後までしっかりとロジックの破綻が無いかとしっかり練られたその世界観に感服する一作。
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監督 ダンカン・ジョーンズ
キャスト
ジェイク・ギレンホール
ミシェル・モナハン
ベラ・ファーミガ
ジェフリー・ライト
マイケル・アーデン
キャス・アンバー
ラッセル・ピーターズ
原題 Source Code
製作年 2011年
製作国 アメリカ
配給 ディズニー
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