構造改革にともなって、できる限り組織の効率化を考えることになる。
人事・経理・営業・PR・設計・総務等々、設計事務所が会社という不特定多数の人が集まり、業務をこなしていく場である以上、組織を円滑に運営していくべき必要な環境を整えたほうが、より毎日の仕事がスムースに進むというのはしごく常識的なことであり、数人という個人事業主的な形態から10人を超え、30人を超えていくに連れ、「自分達で全部やる」ということが通用しなく、「組織」としての在り方に変容していかなければならない時がやってくる。
という訳で、我々MADも現在に至るまでに何度も事務所内の構造改革を行ったのだが、今年もまたそれが必要な時期だろうということで、会社を成り立たせるそれぞれの分野において現状分析と仕分け、そしてどうすればより良くできるかを検討する。
設計事務所を成り立たせる設計業務。
その活動を外の社会に向けて発信するPR業務。
自分達の作品がどのような場所に行けばより良いマッチアップが可能になるか、世界の様々な場所で行われるコンペ情報を精査したり、どのようなメディア戦略をもってオフィスの作品を発表していくか、そんなことを行うPRとは別の営業業務。
パソコンが必須となった現代の設計業務なだけに、複雑化するデジタル環境のアップデートや、テラをあっというまに超えていくまで増えていくデータの管理などを行うIT業務。
日常経理や、年間の経費の管理を行う経理業務。
クライアントとの窓口になったり、日常的な業務の雑多なことがらをカバーしたり、外国人スタッフのビザの発給手続き、保険のやり取りなどの総務業務。
そして組織の心臓部とも言える人事業務、つまりHR(Human resource)。
流動する世界を反映するように、現在までに在籍したスタッフとインターンの総数は既に数百を超える。人がいて初めて成り立つのが会社組織なわけで、彼らの存在がなによりもの宝であり、展覧会や出版物などでプロジェクトを発表するときには、必ず担当チームに属した彼らの名前は記してあげたいというのがオフィスの誠意でもある。
しかし、「建築家」という全うな社会からはやや距離を置き、会社という「しっかり」した組織に属することなく、漂うように生きてきた建築家にそれだけで一つの専門領域とも言える人事の仕事の経験がある訳も無く、誰もが独立という時点から自分なり、自分たちなりの会社組織の在り方、そしてHRの在り方を模索していくこととなる。
引き継ぐべきこともなければ、模倣する対象もなく、教えを乞う上司もいないところから出発するので、ひたすら原理原則へと回帰し、自分でどういうことが必要か、何が出来たら会社として良いのか、現状の分析から改善点などを考えることとなる。
考えうる様々なシナリオを考えては、どのようなシステムが適しているかを検証する。何年後でもそのシステムが成立するために、よりシンプルで、よりフレキシブルで、より原則的であるように。何年の何月の時点で、あるプロジェクトに関わっていたある国のスタッフを知るためには、一元的なタグシステムでは成り立たず、ある種のパラメトリック・デザインの要素が必要になる。
そんなことを繰り返し、書き出した20にものぼる検討事項やシナリオと、その対策を踏まえるて導く第一の結論から、手持ちのソフトやウェブベースのシステムでは対応できないとなり、ならばと市場に出回るHRソフトを検索する。基本言語が英語と中国語ということもあり、日本市場のものでは需要にマッチせず、英語ベースのソフト検索をして、最終的にはスタッフとプロジェクトの管理にも使えるHRソフトの購入とその業務だけを専門的に行うスタッフの確保の二つが急務だという結論に達する。
その結論を他のパートナーに伝達し、オフィスのマネージャー・スタッフに伝えて手配をお願いする。そこに費やされた半日以上の時間と労力。
「建築家の仕事って一体何をしているの?」
とよく聞かれることがあるが、これもまた「建築家の仕事」の一つなんだと自分を納得し、またトレーシング・ペーパーに向かうことにする。
人事・経理・営業・PR・設計・総務等々、設計事務所が会社という不特定多数の人が集まり、業務をこなしていく場である以上、組織を円滑に運営していくべき必要な環境を整えたほうが、より毎日の仕事がスムースに進むというのはしごく常識的なことであり、数人という個人事業主的な形態から10人を超え、30人を超えていくに連れ、「自分達で全部やる」ということが通用しなく、「組織」としての在り方に変容していかなければならない時がやってくる。
という訳で、我々MADも現在に至るまでに何度も事務所内の構造改革を行ったのだが、今年もまたそれが必要な時期だろうということで、会社を成り立たせるそれぞれの分野において現状分析と仕分け、そしてどうすればより良くできるかを検討する。
設計事務所を成り立たせる設計業務。
その活動を外の社会に向けて発信するPR業務。
自分達の作品がどのような場所に行けばより良いマッチアップが可能になるか、世界の様々な場所で行われるコンペ情報を精査したり、どのようなメディア戦略をもってオフィスの作品を発表していくか、そんなことを行うPRとは別の営業業務。
パソコンが必須となった現代の設計業務なだけに、複雑化するデジタル環境のアップデートや、テラをあっというまに超えていくまで増えていくデータの管理などを行うIT業務。
日常経理や、年間の経費の管理を行う経理業務。
クライアントとの窓口になったり、日常的な業務の雑多なことがらをカバーしたり、外国人スタッフのビザの発給手続き、保険のやり取りなどの総務業務。
そして組織の心臓部とも言える人事業務、つまりHR(Human resource)。
流動する世界を反映するように、現在までに在籍したスタッフとインターンの総数は既に数百を超える。人がいて初めて成り立つのが会社組織なわけで、彼らの存在がなによりもの宝であり、展覧会や出版物などでプロジェクトを発表するときには、必ず担当チームに属した彼らの名前は記してあげたいというのがオフィスの誠意でもある。
しかし、「建築家」という全うな社会からはやや距離を置き、会社という「しっかり」した組織に属することなく、漂うように生きてきた建築家にそれだけで一つの専門領域とも言える人事の仕事の経験がある訳も無く、誰もが独立という時点から自分なり、自分たちなりの会社組織の在り方、そしてHRの在り方を模索していくこととなる。
引き継ぐべきこともなければ、模倣する対象もなく、教えを乞う上司もいないところから出発するので、ひたすら原理原則へと回帰し、自分でどういうことが必要か、何が出来たら会社として良いのか、現状の分析から改善点などを考えることとなる。
考えうる様々なシナリオを考えては、どのようなシステムが適しているかを検証する。何年後でもそのシステムが成立するために、よりシンプルで、よりフレキシブルで、より原則的であるように。何年の何月の時点で、あるプロジェクトに関わっていたある国のスタッフを知るためには、一元的なタグシステムでは成り立たず、ある種のパラメトリック・デザインの要素が必要になる。
そんなことを繰り返し、書き出した20にものぼる検討事項やシナリオと、その対策を踏まえるて導く第一の結論から、手持ちのソフトやウェブベースのシステムでは対応できないとなり、ならばと市場に出回るHRソフトを検索する。基本言語が英語と中国語ということもあり、日本市場のものでは需要にマッチせず、英語ベースのソフト検索をして、最終的にはスタッフとプロジェクトの管理にも使えるHRソフトの購入とその業務だけを専門的に行うスタッフの確保の二つが急務だという結論に達する。
その結論を他のパートナーに伝達し、オフィスのマネージャー・スタッフに伝えて手配をお願いする。そこに費やされた半日以上の時間と労力。
「建築家の仕事って一体何をしているの?」
とよく聞かれることがあるが、これもまた「建築家の仕事」の一つなんだと自分を納得し、またトレーシング・ペーパーに向かうことにする。
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