2012年12月23日日曜日

記憶と記録

今読んでいる本の中に、「記憶と記録」に関するやり取りが出てきた。

これを書きたかったために、著者はこの話を構想したのだなと分かるような内容になっている。

記憶は誰もが嘘で固めらて、その中にほんのちょっとだけ事実が混じっているだけ。それが時間が経つにつれて、何度も語る中において、嘘で固められた記憶が曖昧に本当にこととして定着していく。

辛いことや悲しいことも、記憶の中で薄められること、忘れられることが可能だからこそ、今日を生きることができるわけで、どんなことも克明に覚えていなければいけないのなら、恐らく一日だって過ごすことはできないだろうと。

誰だって望むようには生きられないから、記憶の中で少しだけ手を加え、思ったように行かないからこそ、また明日を生きられるということだ。

記録することで記憶を選り分け、選り分けられた記憶の中で明日を生きる自分を見つける。そうしてキチンと過去に線を引いていくことが、この情報社会で道に迷わず生きる術なんだろうと非常に納得する内容である。


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