朝から歩き通してホテルに戻って携帯の歩数計を調べると、驚きの2万5千歩。そりゃくたくたになる訳だと思いながらも、ネットにアクセスし調べるのは、今朝訪れたサント・シャペル(Sainte-Chapelle) 内部に行われるコンサートのチケット。事前予約締め切りギリギリに購入を終了し、寝過ごさないようにと意識を保ちながら少し身体を横たえる。
切れそうになる意識を何とか保ち、すっかり暗く冷え込んだ空気の中、今朝と同じサン・ジャックの塔の目の前のカフェにて今度はエネルギーをつけるために肉を注文して赤ワインで流しこむ。「19;30開演なので19時に来てください」という案内を真面目に受け止めてしまい、言われるとおりの時間に入り口に行くと、もちろん門は閉じられ、案内はフランス語のみ。さすがに不安になり、出口に待ち受ける重装備の兵士に聞いてみると、「その内門が開くから入り口で待っていろ」と。
客らしき人が来ては同じようなリアクションを取るだけで、悪戯に時間は過ぎても一向に門は開かず。スケジュールとは守るためのものではなく、あくまでも目安なのだろうと自分に言い聞かせながら、凍えるような寒空のした待つこと20分。やっと門が開き、20人ほどに増えていた客とともに中に。朝来ているばかりなので勝手知ったもので螺旋階段を上り外から差し込む光がなく、黒い壁として空間を囲う夜のステンドグラスの姿を眺めながら、よりステージに近い高いチケットの席と、より安いチケットの後ろの席に分けられ、さっさと後ろの席の最前列を確保して、外よりはましだがほぼ外という寒さの中開演を待つことに。
拍子抜けするほどほぼ時間通りに、バイオリンを片手にアーティストが登場し、当然のごとくフランス語のみで説明を少々し、早速演奏へ。暗く空に消えるいるような背の高い教会堂の空間に、バイオリンから奏でられた音楽が一つづつ上昇していくのが見えるような何とも不思議な演奏。1時間ほどの演奏であったが、13世紀この教会ができてから800年近い月日が流れているが、恐らく様々な時代においてもこうしてここで音楽を共有した人々は、同じような空間体験をしたのだろうと想像を膨らませていると、寒さを感じることなくあっという間に時間が過ぎてしまった。
当然のことながらアンコールも無いあっさりした終了であったが、先ほどよりも一段と寒さの増した夜のシテ島で、せっかくだからとライトアップされたノートルダム大聖堂を見上げて足早にホテルへと帰ることにする。
パリ1区
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