陸上最強生物は何か?
アフリカゾウ、ライオン、トラ、カバ、サイ・・・
その問いにかなりの説得力をもって答えてくれる小説。
そしてその答えは
「冬眠に失敗し凶暴化した子連れのヒグマ」
「赤カブト vs 銀牙」にピンと来る少年ジャンプ世代にとっては、
すんなりと納得できる答えかも知れないが、
次々と襲われ、意識を持ったまま食われていく登場人物の描写は圧巻。
自分の獲物はどこまでも追って来るその執念たるや、ひたすら恐怖。
幻の鳥でアイヌがヒグマと並び崇める空の王者・シマフクロウ。
ネズミの天敵として、森の微妙な植物連鎖の要を務める絶滅危惧種が、
登場人物の関係の中でも微妙な要を演じる。
広く深い森の奥には、人の無力さを感じさせる、大きな力がまだまだ残されていると、
改めて感じさせてくれる、とても恐い第5回このミステリーがすごい!大賞優秀賞受賞作。
恐い動物の姿が見たい人にはお勧めです。
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「滅びの笛」西村寿行
「熊嵐」吉村昭
「黄色い牙」志茂田景樹
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