妻が「ぜひ行きたい」と見つけてきた展覧会。中国国家博物館には一度も足を運んだことが無かったので、久々に青空の見える土曜の午後に訪れてみることにした。
韓美林(Han Meilin ハン・メイリン)は1936年生まれの中国で最も名の知れたデザイナー。グラフィックから、彫刻まで手がける作品は多岐に渡り、その規模もオリンピックのマスコットや中国国際航空のロゴなど国家レベルのものから、昨年日本でも話題に上った世界最大の関羽像の彫刻など、日本では考えられないスケールのものをつくりだしている人である。
その80歳を記念しての大々的な個展が行われているのが、中国で最も権威のある中国国家博物館。故宮博物館の前に人民大会堂と向き合う形で建っているこの博物館。その規模もそうであるが、そのセキュリティレベルも国家級。建物にアクセスするまでに長い列に並び安全検査を受けて、建物に入るために更に長い列に並んで入場までにおよそ一時間。天気が良い日だから良いものの、それでもお腹に貼ったカイロが無ければ相当身体が冷えてしまうだろうと思いながら、パスポートなどの身分証明書を見せれば入場が無料という点は非常に素晴らしいと感じながら中へ。
中は相当に巨大だと思っていたが、後に調べてみると国家博物館の総面積は65,000㎡。パリのルーブル美術館が総面積60,600㎡というから納得。とても一日で全部見ようと出来るものではないので、受付でなんとも見づらい地図を貰い、見に行く場所にあたりをつける。
今年は是非学ぼうと思っている書の展示と、目的の「美林的世界——韩美林八十大展」の場所を見つけ、鄧小平の巨大な像の前を通り抜けて上階の展示室へ。まずは韓美林からで、4つの展示室を使用し、書や水墨の要素を取り込んだ様々なポスターやグラフィックデザインは、その作品の数も手伝い圧倒的。部屋ごとに椅子などの家具や、巨大な彫刻など別のテーマの展示が見れつつ、80歳という長いキャリアが俯瞰的に感じられる展示になっており、充分楽しめる内容となっている。
書道の勉強の励みになるだろうと、2007年に出版された画集「天書」をショップで買い込み、最上階に位置する書の展示を一通り目を通し、一階の茶館で茶器を物色しながらウーロン茶で一息入れて、その脇に付属する書店で書道と漢字の歴史に関する本を購入し、「今年こそは再度中国語学習を・・・」と気合を入れてそろそろ暗くなりだした外へ向かうことにする。
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