2017年1月27日金曜日

三養荘 (さんようそう) 村野藤吾 1988 作庭:小川治兵衛 1929 ★★★


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せっかく伊豆の国市まで来たのだからと、名高い伊豆長岡温泉の雰囲気を味わっていかないともったいないということで、伊豆長岡の老舗旅館である「三養荘 (さんようそう)」に立ち寄ることにする。

元々は昭和4年(1929年)に三菱財閥の創始者である岩崎弥太郎氏の長男・久彌氏の別邸として、小川治兵衛(おがわじへえ)による日本庭園の中に数寄屋造りの和風建築として作られたものであり、それが昭和22年(1947年)に15棟の旅館・「三養荘」として営業を始めたという。

広間「もくせい」を増築したり、後藤新平氏の田舎屋「狩野川」を移築し「バー」として利用したり、離れの「高砂」「花月」「きぬた」を増設していき、ついに昭和63年(1988年)に数寄屋建築に優れた建築家・村野藤吾の設計によって新館がオープン。和モダンと呼ばれる、美しい室内空間は外部に広がる広大な日本庭園と呼応して素晴らしい空間を見せてくれる。

現在の運営はプリンスホテルとなっており、宿泊者のみ入ることのできる日本庭園は、敷地脇にあるカフェテリアにてコーヒーと一緒になっている庭園見学券を購入することで、静かな庭園を散策して、その後の休憩に温かいコーヒーを楽しむことができるようになっている。

カフェの片隅においてある建築雑誌や村野藤吾の作品集をめくりながら、流れるようなその平面図と美しいリズムを作り出している屋根の連なりに改めて、村野作品をめぐってみようと思いを馳せる。














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