2020年5月28日木曜日

「代表的日本人」 内村鑑三 1894 ★ ★ ★ ★

1894年に始まる日清戦争に向かっていく日本のことを何とか世界に正しく理解してもらおうと意図し英語にて日本人とは何かを書いた「Representative Men of Japan /代表的日本人」が出版され、それを日本語としてまとめたのがこの一冊。

日本を理解してもらおうと思った時に、自分がこの人こそはと思う5人を紹介し、その生き様や信念を通して、日本を感じてもらおうとするこの心意気もさる事ながら、33歳の若さですでに自分の中に確固たる日本の像を持ち、それを体現する人を長い歴史の中から5人明確に選ぶという姿勢にただただ圧倒される。そして自分なら誰を5人として選ぶだろうか。歴史上の人を選べるほど、その人を深く知り、理解しているだろうかと思い悩む。

西郷隆盛、上杉鷹山、二宮尊徳、中江藤樹、日蓮

共通点を見出すのは難しいが、何人かは強い思想を持った師に若い時期に出会い、影響を受け、自らの進む道を確立し、その後はその信念に添いながら行動を続けていく。そのブレない姿が一番の共通項なのではと思いながら、自分にとっての代表的日本人を考えると共に、自分にとっての師が誰だったのか、そして自分が信じる道とはどんなもので、これからどう進むのか、そんなことを考える時間をくれる一冊であろう。

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