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所在地 島根県大田市仁摩町天河内
設計 高松伸
竣工 1993
機能 工房
規模 地下1階、地上1階
敷地面積 63,423㎡
建築面積 258㎡
延床面積 413㎡
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開館当初は予定を上回る来館者を誇ったという仁摩サンドミュージアム。その成功を後ろ盾に、今度は訪れる人に、より積極的に体験してもらえるような施設も併設し、地域コミュニティの中核施設に発展させようという町長の旗振りのもと、仁摩サンドミュージアム竣工から3年の後に、すぐ脇の敷地に建設されることになったのが、この仁摩町ふれあい交流館。
一体何をする施設かというと、ガラス工房を設置し、そこで訪問者が実際にガラスの制作を体験できるというもの。配置もミュージアムが埋められている丘の、アプローチとなる階段脇の断面に馬蹄形の建築を挿入し、丘の上からは馬蹄形をした水面の上を歩いて中心の螺旋階段から建物内部に入っていくというなんとも月9のトレンディドラマの撮影地になりそうな仕掛けである。
二階吹き抜けの空間には階毎に工房とショップが入っているが、螺旋階段で下りてくると、流石に背の高いガラス張りの吹き抜け空間ということもあり、完全に暖房された暖気が上に上がってきてしまい、上手く換気が行われていないようで上階では少々息苦しさを感じる。
訪れる前にはまったく違う敷地に二つの施設が建っているとばかり思っていたが、同一敷地の違う場所に同じ建築家による作品が3年という短い期間の中で二つも建てられたとても稀有な例であろう。それはいうなれば、発注側である町および町長からの建築家への厚い信頼の証でもあろうし、最初の建築の設計に対して、発注側がどれだけ満足したかの証左でもあるだろう。
時代によって求められるものも変わっていくのが社会と密接な関係を持つ建築の宿命。それでもその時々に敏感に時代の流れを感じ、施主の満足する設計を提供する建築家の手腕を評価するべきだろうと思いつつも、世代を超えて残っていく建築の持つ時間の長さから、見つめるべき時間のスパンもまたどれだけ延ばさなければいけないのかを思わずにいられない。
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