数日前に訪れていた山陰の滅入る様な天候が未だに脳内に強烈に残っている。戻ってきた北京では、凍てつくような冬の寒さも一段落し、時折青空も覗きながら、多くの人が外に出て活動を行っている。その姿を見ると、ひょっとして歴史上栄える事ができた都市というのは何からしらの地理的条件を兼ね備えていたのでは?と考えてしまう。
経済活動を年間通して支障が無い、つまり山陰で出くわしたように一日の中で吹雪で外での活動が制限されることは、東南アジアの様にうだるような湿気と熱気で外で活動が出来ないなどと、身体に影響を及ぼす要因ができるだけ穏やかな気候帯にひょっとして21世紀まで勝ち残ってきた都市は集中しているのでは?
都市の世紀に入った21世紀に君臨する輝かしき都市達は、ある限られた緯度ベルトの中に集中して存在しているのでは?などを疑問を持ちちょっと調べてみる。すると「域内総生産順リスト」なる都市リストがあるらしく、その上位30都市を世界地図上でプロットしていってみる。
すると思ったほどに分布は進んでおらず、別の想定で勝ち組を呼ばれる都市は一定間隔を空けて分布しているのでは?という想定も裏切っているようである。
都市の発展する要因は非常に複雑で絡み合い、時代の流れと共にちょっとしたバランスでまったく違う道を進んでしまう。政治に翻弄され、素晴らしいポテンシャルがありながらも、やはり衰退の道を進む都市もあったのだろうと思われる。
しかし、それでもやはりある文明や文化の中で、都などの中心が生み出された後に、そこから放射状に伸びていきながら、地形や交通の便を考慮して伸ばされていく時代によって様々な交通網。その容易さと距離を背景に生まれてきた地域拠点都市。
地域の拠点であるにも関わらず、交通もの発展と社会の流動化により、人口もまたその交通網にそって移動が容易になっていく。都市が勝ち残っていくためには、人々がそこに留まるだけの何からしらの魅力を持ち、メリットを人々に還元できなければいけない。恐らくそのレベルに天候の要因も入ってくるのだろう。
つい先日も島根県の人口がついに70万人を切ってきたニュースが流れていた。
人口が減ることが一概に悪いことだとは全然思わないが、歴史上どのくらいの人がその地域に住み、そして現代において70万人というのが、他の都市に比べてどのくらいの成長基準であるのかを良く見てみる必要があると思うが、冬の山陰を数日だけでも経験した後には、そのニュースが酷く説得力をもってのしかかってくるようである。
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