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所在地 島根県安来市古川町
作庭年代 1970年
作庭 足立全康
形式 枯山水庭園、池泉観賞式庭園
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数多ある美しい日本庭園の中でも、圧倒的な規模と圧倒的な認知度を誇り、海外の有名サイトにて11年連続で1位にランクされている庭園が、東京でも京都でもなく、この島根にあるのは良く知られている。
その庭園を持つ建物こそがこの足立美術館。
そのランキング、怪しいものじゃないのか?という疑問を払拭する為に調べてみると、米国の日本庭園専門誌「ジャーナル・オブ・ジャパニーズ・ガーデニング」が、全国900ヶ所以上の名所旧跡を対象に実施した「日本庭園ランキング(潮騒ランキング)」を毎年発表しており、この足立美術館の日本庭園が2013年度をもって「11年連続庭園日本一」に選ばれたという。
一体他にはどんな庭園がランクインしているかを見てみると、2013年日本庭園ランキングトップ5が以下の様になっており、
1位 足立美術館(島根県)
2位 桂離宮(京都府)
3位 常盤ホテル(山梨県)
4位 平安会館(京都府)
5位 山本亭(東京都)
とにかく、「島根」といえば、「出雲大社」か「足立美術館」というくらい、建築を学んでいない人にとっても知名度抜群のこの美術館。ではどんな美術館かと言えば、この安来市出身の事業家・足立全康(あだちぜんこう)が、貧しい中から成功し、小さな頃から好きだった日本画を収集するようになり、ついに日本有数のコレクターとなり、横山大観の作品を含め、郷土への恩返しとしてこの島根の文化発展の為に安達美術館を創設し、自らの日本がコレクションを展示するのと同時に、趣味でもある日本庭園の作庭に自ら陣頭指揮をとって行ったのがこの美術館。
「わしの人生は、絵と女と庭や。しかし、これらはいずれも小学生時代の体験が発端である。やはり心が裸の状態の時に受けた衝撃は、一生消えることはない」
と自ら言うように、行政など様々な思惑が絡んだプロジェクトではなく、人生の成功者であるワンマン経営者の自らの人生の成功を形にする為の美術館であり、全てにその人の意図が反映されている。
広大な庭園は枯山水庭、白砂青松庭、苔庭、池庭などの6つの日本庭園からなり、館内の至る所から異なった風情を楽しめるように設計されている。春はツツジ、夏は新緑、秋は紅葉、冬は雪景色と、この土地ならではの四季折々の美しい表情も堪能するように作られており、もちろん今回は雪に埋もれた白銀の庭園を楽しむ事になる。
その値段設定も、大人一般¥2,200となんとも強気の値段設定。それでも大量のおじさん、おばさんの観光客がやって来ているので、「美術館の目的は、金儲け、社会への還元、道楽の3つすべてに該当する」という足立全康の言葉にも説得力がつくというものである。
横山大観ももちろんであるが、河井寛次郎の焼き物の美しさは外の庭園にも負けるとも及ばないものであったのは驚きであり、読みかけで放ってある「火の誓い」を再読しなければと思いながら、次の目的地へと向かう事にする。
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