およそ2000年前の西暦79年、突然ヴェスヴィオ火山が噴火し、 ポンペイの町は火山灰に埋もれた。ゲーテが「人類史上唯一歓迎すべき天災」と語ったように、発掘された遺跡では、火山灰に埋もれ当時の様子がかなり鮮明に分かる状態で見つかる。
噴きあがる火山を見つめた当時のポンペイ市民一万人は、現在ほどの科学的根拠もなく、恐らく「これは神の怒りだろう・・・」と思いながら、真っ黒に染まる空を見上げ、3守護神ウェニス・ヘルクレス・ディオニュソスに最後の祈りを捧げたのだろうと思いながら、展示される品々を見てきた。
丹下健三の設計ということもあり、ダリの彫刻に見つめられる段上のエントランス・ホールからゆったりとした各展示が展開される。空間が良いからそんなに疲労を感じることなく見ることが出来る。
同じギリシャ神話のエウロペの名からとられた、2000年後のヨーロッパ。
アイスランドの火山噴火でベルギーに行っているパートナーから、電車でイタリアに移動する羽目になったよ・・・とのSMSが届く。
一つの町が灰に埋もれることはないだろうが、空の交通網を断たれた人類が見上げる空に、2000年前のポンペイの空を重ねずにいられない。
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