2015年1月4日日曜日

杭州東駅 ★

朝、ホテルに頼んで手配していた貰っていたタクシーの運転手を相談し、駅に向かう前に少しだけ市内に向かい、例のレンタル自転車カードを返却し、デポジットとして預けてあるお金を返還してもらうことに。

時間的にギリギリかと思ったが、思ったより渋滞が発生しておらず、カードの返却もスムースに行き、無事に一人300元のデポジットを受け取ることができた。その後、紹興へ向かう快速電車が発着する杭州東駅は2013年に完成した中国最大の駅舎であり、なんとその総工費は約4100億円で、あまりにお金を使いすぎてしまい、その後の公共建築がなかなか進めないとタクシーの運転手がいろいろと説明してくれる。

駅に近づくと、周囲の景色と比べても遠近法を無視したかのようなその巨大スケール。その総面積は32万平米で、計34路線が乗り入れる巨大駅。中国の駅舎では基本的にプラットフォームに自由に出入りすることはできず、空港浪の安全検査を受けて2階部分に位置する待合いホールに入り、そこで列車が来るの待つ。そして出発15分間になると各ホームへ降りる階段前に乗客が並び、切符のチェックを受けてホームに下りて、既に到着している電車へと乗り込むというシステム。

出発の時刻まで暫くあるので、同行ご夫婦とバラバラになり駅構内を妻と二人で散策する。二階部分が一番人が溜まる主要ホールになるために持ち上げれた構造であり、さらに巨大な駅をできるだけ開放的にするために建築というよりは土木的なスケールである屋根架構を支える特徴的な斜めに傾いた巨大な柱や、幅広い建物の為に内部が暗くなるのを防ぐため、自然光を取り入れる為の巨大なトップライト、柱と同様に斜めに傾けれらた壁など、特徴的な建物だけに出てくる問題が見えてくる部位を見てまわる。

それより何より、こうして都市から離れる人々と、都市に到着する人々が同じ空間を共有すること無い空間はやはり都市のダイナミクスの現れである「出会い」の空間である駅舎の歴史から見ると少々寂しいのではと思わずにいられない。

待ち人が想い人の到着を今か今かと待ち受ける頭端式ホーム。人々が再会と別れをかみ締める「溜り空間」のあるターミナル駅はこうして徐々に現代の都市から姿を消していくのかと思うのと同時に、新しい速度の時代にあった新しい「都市の舞台」としての建築が登場するのもまた遠くないのだろうと思いながら、そろそろプラットフォームへと降りていくことにする。






















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