2015年1月3日土曜日

印象西湖 張芸謀 ★★★


レンタル自転車カードを返すためにオフィスに到着したのが17時。ギリギリ閉まる前に間に合ったのだが、カードを発行した本人とそのID及び発行した時の書類が必要だという・・・。明日は早朝から紹興へいくのでこれでデポジット代金の回収が難しくなったと悩みながら近くのレストランで早めの夕食。

無駄な出費を抑えるためになかなか来ないバスを待ってホテルまで戻り、暖かい格好をして出かける先は、昨晩チケットを購入しておいた今夜が今年最後の上演となる「印象西湖(いんしょうさいこ、yìnxiàng xīhú)」。

映画監督で2008年の北京オリンピックの開幕式の綜合プロデューサーを務めた張芸謀(張藝謀、ジャンイーモー、Zhāng Yìmóu)が演出を手がける実際の風景の中で繰り広げられる演劇である。

音楽は喜太郎が担当し、相当大掛かりな舞台装置が作られ、数百人の役者によって1時間近いショーが繰り広げられるという内容。せっかくなのでチケットは一人280元と少々高い方を購入する。

物語は有名な中国民話である「白蛇伝」をモチーフとしており、杭州の地で若い僧と蛇の化身である美しい娘との恋物語を描いていく。劇の開幕と同時に、湖の遠くにスポットライトで照らされた湖面を役者が歩いてくる姿が、てっきり「三次元ホログラフィでどうやっているのかな?」と目を凝らしていたら、それがどうやら実際の人間で湖の上を本当に歩いてこちらにやってくることに気がついて度肝を抜かれる。

夜はマイナスになろうかという気温の中、冷たい湖の水の上を四方八方に走り回り、水しぶきを上げて激しく舞う数百人の役者達。そうかと思ったら水の下から大きくクレーンがせり上がってきて、そこから水の幕を作り出し、光が美しく透過する。

そんな日本では間違いなく出来ないだろうと思われる演出内容。労働環境としても、発想の規模として、ここでしか見れないショーを見ているという実感を味わいながら、5部に分かれた物語に引き込まれる。

その理由はもう一つ。「昼間「曲院風荷(曲院风荷)」 の湖畔で見かけたあの巨大な鳥の意匠を身にまとった役者がいつ登場するのか?」という期待もこめて、芯まで冷えるような寒さの中、水の上で演じ続ける彼らの体感温度は一体どんなものかと勝手な想像を膨らませながら、最後までショーを楽しみ、本年度最後の上演ということで、終演後に演出家なども登場しての挨拶に大きな拍手を送ってホテルに戻ることにする。







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