2014年12月17日水曜日

マディナ・ジュメイラ Madinat Jumeirah 2003 ★★


昨日クライアントに、「ドバイで半屋外空間を利用した空間で成功と呼べる、見ておいた方がいいプロジェクトは何か?」と尋ねたところあがったのがこのプロジェクト。

ダウンタウンとは違い、街の東側に位置し、有名な7つ星ホテルのブルジュ・アル・アラブと一体となり、ジュメイラ地区の中心施設として賑わっているという。

そんな訳でドバイ・モールからタクシーに乗り、機内ではパキスタンから来ているという運転手さんに、昨日起こったパキスタンのパシュワールでのタリバンによる学校襲撃の事件について意見を聞いてみる。あちらもイスラムであれば、これから向かうビーチリゾートもまたイスラムの一つの顔。そんなことを思いながら到着するジュメイラ地区。パーム・アイランドや上記のブルジュ・アル・アラブなど初期のドバイの開発が行われた地域であるために、その完成も急激な都市発展が始まる前の2003年。

マディナ・ジュメイラとはアラビア語で「ジュメイラの都市」という意味だといい、旧市街のドバイ運河沿いの街並みを商業施設の中で再現し、その中に様々なショップやレストラン、そしてホテルが複合されている。

建物自体は古いアラビアの建物を模しており、半屋外の空間で平面的繋がっており、回廊部分からは階下に流れる人工の運河が見受けられる。身体スケールで、日を遮られ心地よい影の中に上部から日が差し込み、迷路に迷い込んだような複雑な部分を歩き回るのは、先ほどのドバイ・モールとは違いなかなか好感の持てる空間になっている。

しかし徐々に海側に近づくと、そこはホテルのエリアのようで、ところどころでスタッフが、「宿泊客の方ですか?」と行く手を遮っては確認し、観光目的の客をリゾートエリアに入れないようにしている、なんとも排他的なオペレーションである。

その為に次の目的地のブルジュ・アル・アラブに向かうために、海を見ることなく、またしても歩道空間の無い道路の冷や冷やしながら迂回していくことになる。リゾートといっても、まだまだ総合的な設計が成されるまでには相当な時間がかかり、今の客は宿泊するホテルの中だけで時間を過ごすような客だけなのだろうと想像を巡らせながら道路を進むことにする。









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