夏から準備していた展覧会が開幕した。
北京の中心地、天安門の前にそびえる前門。その西側は大栅栏(Dashila)としてここ近年に様々な再開発が展開され、もともとの生活を残しつつも、アート・ギャラリーやアーティストのアトリエ、こじゃれたカフェなどが入り活性化に繋がっているが、逆の東側に位置する鲜鱼口(Xian Yu Kou)エリアを今後どのように開発していくべきなのか?という問いを世界中から9社の設計事務所に投げかけ、それぞれの回答としての案を展示するという主旨である。
胡同(フートン)と呼ばれる昔ながらの低層住宅が立ち並び、樹齢が数十年から数百年という大きな樹木がところどころに残りながら、各時代ごとの建築様式をまとった重要な邸宅や長い年月この場所に鎮座する寺院などがちりばめられ、非常に心地よいヒューマン・スケールの街区を作り出している。
しかし周辺地域の開発伴い、現行の低い容積率はあまりにも経済効率が悪いということで、現代社会の経済性に見合いながらも、それでも歴史を体現してきた重要地域にどのようにこれからの都市生活を投影できるかという設問である。
そんな訳で参加したのは下記の設計事務所
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BIAD Art Center
Jiakun Architects 家琨
KKAA 隈研吾
K/R
MVRDV
Position 有方
MAD Architects
Neri & Hu 如思设计研究室
URBANUS
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夕方からのオープニングに行くと、普段は比較的オフィスで作業を進めることの多い自分でも、既に顔見知りとなっている建築家の顔もあり、非常に多くの人で賑わっていた。北京オリンピックの開幕式で舞を疲労したというダンサーで振付も行う人が立ち上げたダンス・カンパニーが会場の中で舞を踊りながら各展示作品の周辺を巡っていくというパフォーマンスがあり、その後関係者一同で前門が良く見えるレストランに移動して食事となる。
その中でもオペラハウスでのコンサートでよく顔を見かけるURBANUSの代表の一人である王辉(ワン・フイ)を見つけ、年明けに開催されるオペラ「アイーダ」のチケットを買ったことや、今年後半の注目演目などについて盛り上がる。
こうして仕事とはまったく関係ない好きなことを共有し、互いに情報を交換し合えることは、都市に生きる大きな喜びであるこだと理解しながらレストランを後にする。
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