2013年はドラマの当たり年。
「あまちゃん」に「半沢直樹」に続いて最後にやってきたのがこの「リーガル・ハイ 2」。人気シリーズの第二弾ということだが、その第一弾の存在もまったく知らなかったが、世間の流れに乗り遅れまいと鑑賞してみることにする。
それぞれのドラマの平均視聴率は「あまちゃん」が20.6%、「半沢直樹」が29.1%で「リーガル・ハイ 2」が18.4%。そうしてみると、「半沢直樹」の化け物ぶりが良く分かる。
相変わらずジムで走りながら見進めていくが、なかなか面白くあっという間に見終えてしまう。なんでも、流行のヒットした漫画や小説からのドラマ化ではなく、古沢良太の脚本によるオリジナル作品だという。
「一度ヒットしたものならば、そこまでコケルことはないだろう・・・」という安易な思惑が見え隠れするような漫画や小説からのドラマ化が続き、「ドラマだからこそできる世界観を!」などということが長らく語られない雰囲気の中だからこそなおさら評価できるように思える。
その古沢良太は何者かと調べてみると、『ALWAYS 三丁目の夕日』、『相棒』 シリーズなど様々なヒット作を飛ばしている脚本家らしい。
見終わってみると、このドラマがシリーズを通して人気なのも納得。まずはドラマなのに、水戸黄門的な一話完結でいつからでも見始められるという構成をとる訳でも、かといって全体に大きなテーマを掲げて毎週ごとに少しずつ話を進めるでもなく、全体に一つの話が継続しながらも、毎週は個別のテーマを持って進めるという、ある種の入れ子構造。
これはある種最近のドラマの主流なのかもしれないが、そのバランスが絶妙なのだろうと勝手に思う。
その次に、毎週ごとに主役をはれそうな個性的な登場人物を持ってきて、さらにこの現代社会で誰もがおかしいと思ってもなかなか口に出来ないような時事問題を取り上げ、現代社会に一石を投じながらも視聴者のストレスを晴らしてくれるように好き勝手に突っ込んでいくスタイル。
佐藤隆太が主役の第2話では、ツイッターでの匿名のつぶやきに対して訴訟を起こしていくホリエモンをダブらせる天才企業家。有名人に向かってネット世界の「匿名」をいいことに好き勝手に公共の場にやっかみとも愚痴とも言える想いを投げ込むことがいいのかどうか?
塚地武雅を不細工だが地位も金もある一流企業のサラリーマンとした第3話では、そのステータスのお陰かどうか、結婚した美人妻が実はトンでもない整形手術をしていたということを知り、離婚理由になるかどうか?と容姿も経歴もどうにかして修正することができる現代社会でどう人を判断するかの問題をつきつける。
美しい自然に囲まれた田舎に突然舞い降りた世界遺産登録の誘惑。世界遺産登録に拠る甘い汁と、それでも都会生活の便利さに引かれていく人間の心。一つの村のその間での揺れ動きを遠野なぎこを主役に据えて描いた第8話などなど、とにかく誰もが一言いいたくなるような現代の問題に、いかにも切れ味鋭い言葉でぶったぎっていく主人公。
どう考えても子供が見るドラマではないと思うが、それでもこれだけの視聴率を保っているということは、子供がドラマを見なくなったということか、それとも元々ドラマとは大人が見ていたものだということか?
どちらにせよ、この現代社会ではドラマがヒットするには大人を惹きつけるのが最低条件なんだと理解して、今年も良作のドラマが生まれることを期待する。
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制作局 フジテレビ
脚本 古沢良太
出演者
古美門研介 堺雅人
黛真知子 新垣結衣
羽生晴樹 岡田将生
本田ジェーン 黒木華
磯貝邦光 古舘寛治
服部 里見浩太朗
加賀蘭丸 田口淳之介
三木長一郎 生瀬勝久
沢地君江 小池栄子
別府敏子 広末涼子
醍醐実 松平健
安藤貴和 小雪
鮎川光 佐藤隆太
熊井健悟 塚地武雅
西平なつ 佐藤仁美
田向学 野村将希
北条愛子 鈴木保奈美
宇都宮仁平 伊東四朗
赤松鈴子 角替和枝
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